有効求人倍率はバブル期超え、43年ぶり水準-4月は雇用さらに堅調

  • 「雇用環境良く、消費がいい流れは違和感ない」-野村証券・桑原氏
  • 個人消費は14カ月連続減少も小売り販売は緩やかな回復続く

厚生労働省が30日発表した4月の有効求人倍率はバブル期の最高値を超え、43年2カ月ぶりの高水準となった。失業率も横ばいで、雇用はさらに堅調に推移。4月の個人消費は14カ月連続で減少した一方で、小売り販売は回復が続いている。

キーポイント

  • 有効求人倍率は1.48倍(ブルームバーグ調査の予想中央値は1.46倍)-1974年2月(1.53倍)以来の水準
  • 厚生労働省によると1990年7月に記録したバブル期の最高値は1.46倍
  • 完全失業率は2.8%と横ばい(予想は2.8%)
  • 家計調査は実質消費支出(2人以上の世帯)が1世帯当たり29万5929円と前年同月比1.4%減(予想は0.9%減)
  • 消費支出の減少に寄与したのは自動車購入、関連商品などの自動車関係費や私立大学、専修学校などの授業料
  • 商業動態統計の小売業販売額は前年同月比3.2%増(予想は2.3%増)と6カ月連続の増加



エコノミストの見方

  • 野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは電話取材で、「雇用環境が良くて消費がいいという流れ自体はそんなに違和感がない」と述べた上で、予想を上回った小売業販売額を受けて「消費は思っていたよりも強いという印象がある。雇用環境がいい中で、インフレに対する懸念が少し和らいでいるという解釈もできなくもない」とみている。
  • ソシエテ・ジェネラル証券の会田卓司チーフエコノミストはリポートで、完全失業率について「新年度入り後の雇用の確保に苦戦する企業が、特に非製造業や中小企業で見られ始めた」ことから、企業の雇用不足感が賃金の上昇や省力化・効率化への投資に一気につながると指摘。「失業率2%台は、これまでとは別次元に突入した」との見方を示した。
  • 伊藤忠経済研究所の武田淳主席研究員は電話取材で「家計調査、商業販売統計を総合的にみてみると、4月の数字は改善を示しているといえる」としながらも、「春闘は期待ほどではなかったし、賃金も伸び悩んでおり、今後の回復の持続性には疑問符がつく」と語った。


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