山口公明代表:黒田路線からの極端な変化困る-次期日銀総裁人事

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  • 教育無償化は優先順位を定めること大事-幼児教育は全国民に必要
  • 憲法9条改正、自民の党内議論を「見守る姿勢で臨みたい」

公明党の山口那津男代表は来年4月に任期満了を迎える日本銀行の黒田東彦総裁の後任人事に関し、大胆な金融緩和により、アベノミクスを推進してきた現在の路線を継承できる人材が望ましいとの考えを示した。黒田氏再任の可能性など具体的な人選については言及を避けた。

公明党の山口那津男代表

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  山口氏は29日のインタビューで、日銀総裁人事について「政府と歩調が合わないことで極端な変化が出るということでは困る」と指摘。その上で、「基本的にはアベノミクスをいい方向へ導いていくことが使命だ」とも述べ、安倍晋三政権が目指す「成長と分配の好循環」を後押しするよう求めた。

  黒田総裁については「金融政策を担う立場でアベノミクスの一環としてその役割を果たしてきた。政府、財政当局と呼吸を合わせながらやってきて一定の成果が出ている」と評価した。

  山口氏は黒田総裁の後任の人選については「人事は人事権者がその時点で最適な判断をすべきことだから、今からわれわれが条件を付けたりすべきことではない」とコメントを避けた。総裁人事をめぐっては、前内閣官房参与の本田悦朗駐スイス大使が1月の電話インタビューで、黒田氏の再任も「一つのやり方」と発言している。

教育無償化

  安倍首相は27日、イタリアでの内外記者会見で「教育、社会保障に大胆に投資する」ことで「新しい活力が生まれ、次なる成長につながっていく」と発言。6月に策定する政府の成長戦略は「あらゆる人にチャンスをつくる」がキーワードになると語り、教育は安倍政権の重要な政策課題となっている。

公明党の山口那津男代表

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  山口氏は教育無償化について「財源をきちんと見いだして無償化すべき優先順位をきちんと定めて行っていくことが大事だ」と指摘。幼児教育は「将来、どういう道に分かれようとも全ての国民に必要な根っこの部分という要素もある。ここの無償化を優先すべきだという議論もある」と語った。

  教育無償化の財源として自民党内で浮上している「教育国債」や「こども保険」の創設案に関しては「未来の人材を育てるというところが大事なことは間違いない」としながらも、「一気に財政負担を拡大するということは後々禍根を残す面もあるから、慎重に考えるべきだ」と指摘した。

  2020年度までに国・地方の基礎的財政収支(PB)の黒字化を目指した政府の財政健全化目標については「18年に見直す方向になっている」ことから、その際に今後の在り方を「多面的に検討しなければならない」と語った。「財政規律を保たなければ信用不安に結びついては困る」とも述べ、「一定の規律と財政の機能との間で議論を深めて来年、一定の方向を出すべきだ」と語った。

北朝鮮ミサイル

  米国に依存してきた敵のミサイル基地を直接攻撃できる能力を自ら保有する検討をすべきだとの意見も自民党内から出ている。

  山口氏は日本の安全保障政策について「専守防衛のもとで国際社会、近隣諸国の日本に対する一定の信頼というものもある。それを崩してしまう独自の動きになれば、それはやはり摩擦を生む可能性もある」と指摘。財政的な制約も挙げ、こうした事情を十分に配慮しながら日米同盟の抑止力、防護力を高めるための方策を「しっかり検討していく必要がある」と語った。

   安倍首相が20年の施行を目指して提唱した憲法9条の1項、2項を維持した上で自衛隊の存在を明文化する改正案は自民党総裁として党内に検討を指示したものであり、公明党としては当面、自民党内の論議を「見守るという姿勢で臨みたい」と語った。国会発議のタイミングは「自民党の一存で決まることではない」と指摘。衆参両院の憲法審査会での議論を経て「決められていくことだ」と述べた。
  


(第9段落以降を追加します.)
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