TOPIXが続伸、割安感支え午後持ち直す-米ソフトパッチ懸念重し

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  • 通信や素材セクター上げる、金融や内需セクターは安い
  • 為替は1ドル=110円台後半、ギリシャなど欧州政治リスク意識も

30日の東京株式相場は、TOPIXが続伸。米国経済の停滞リスクや為替の円高懸念から午前は軟調だったが、投資指標からみた割安感などを背景に午後に持ち直した。情報・通信や金属製品株のほか、鉄鋼など直近の下げが目立った素材株が高い。半面、銀行など金融株、医薬品など内需株は軟調。

  TOPIXの終値は前日比2.46ポイント(0.2%)高の1572.67と続伸。一方、日経平均株価は4円72銭(0.02%)安の1万9677円85銭と小幅ながら3営業日続落。

  ピクテ投信投資顧問の松元浩常務執行役員は、「国内企業は慎重な業績ガイダンスを出してきており、為替が1ドル=110円台を維持できれば、いずれ上方修正されるとの期待感はなくなっていない」と指摘。また、日本株のPERは14倍台と「バリュエーションは欧米に比べ割安。弱気でみているわけではない」と話した。

東証内部

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  この日の日本株は小安く始まり、為替の円高推移に連れ、午前の日経平均は一時100円以上下落、TOPIXも0.5%安まで売られる場面があった。ユーロ下落の影響が波及、きょうのドル・円は一時1ドル=110円70銭台を付けた。朝方は111円台前半だった。

  欧州を巡っては、ギリシャの債務削減で合意できない場合、同国政府は次回分の救済融資を受け取らない選択肢を準備している、と独紙ビルトが報道。イタリアでは選挙法改正で合意に近づいており、総選挙前倒しの可能性が浮上している。東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、欧州政治情勢などを理由に「海外の一部市場が休場で売買が少ない中、短期筋の仕掛け的な動きが円高・株安につながった」と言う。

  ただ、その後円高の勢いが限られると、午後の日本株は徐々に持ち直し。市場では、日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ観測もあった。東海東京調査センターの中井裕幸専務は、「日経平均のEPSは1400円を超えている。下値はあまり心配しなくていいという心理がある」と話していた。ブルームバーグ・データによると、東証1部のPERは14倍、米S&P500種株価指数の18倍、ストックス欧州600指数の16倍より依然低い。

  また、この日の米市場では4月の個人消費支出(PCE)が公表予定、1日には5月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、2日には雇用統計の発表も控え、様子見姿勢から過度に売り圧力も高まりにくい状況だった。ピクテ投信の松元氏は、「米国では景気のモメンタムが落ちてきている。回復の勢いが持続するかどうか見極める局面」としている。

  東証1部33業種は空運、金属製品、鉄鋼、非鉄金属、情報・通信、化学、繊維、機械など21業種が上昇。鉄鋼や非鉄、繊維は直近1カ月の下落率上位に並び、見直し局面ではリターンリバーサルの買いが入りやすい。パルプ・紙、倉庫・運輸、医薬品、銀行、保険、陸運、食料品など12業種は下落。

  売買代金上位では、ソフトバンクグループやブイ・テクノロジー、エムアップ、サイバーエージェント、JPモルガン証券が目標株価を上げたANAホールディングスは高い。半面、東京エレクトロンや楽天、オリンパス、アサヒグループホールディングス、小野薬品工業が安く、クレディ・スイス証券が目標株価を下げたディー・エヌ・エーも軟調。

  • 東証1部の売買高は13億2603万株。売買代金は1兆8768億円
  • 上昇銘柄数は1092、下落は751、相場の膠着(こうちゃく)を反映し、変わらずは173と3カ月ぶりの高水準
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