心血注いだ米モントークの巨大邸宅地、53億円なら手放しても悔いなし

1990年代の初め、ニューヨークのアンティーク額縁修理・複製会社のオーナー、イーライ・ウィルナー氏と妻のバーバラさんは、ロングアイランド島サウスフォーク郡のイーストハンプトンに暮らしていた。「素敵な家があり、プライバシーもしっかりしていて、この上なく幸せだった」というが、その後、友人からロングアイランド島の突先にあるモントーク行きに誘われた。

上空から眺めた広大な敷地

  モントーク周辺を1、2時間散策した後、夫妻は「ああ、この場所こそ住みたい場所だ」と思ったという。その後間もなく夫妻は、市場で売り出されていた36エーカー(約4万4000坪)の別荘地を見つけた。この物件は著名画家アンディ・ウォーホルが1987年に死去するまで使った別荘地に隣接し、400フィート(約122メートル)にわたってビーチが続く。ウィルナー氏は少し口ごもって「62万ドル(約6900万円)で買った」と打ち明けた。

ビーチを見渡せる最上階からの眺め

  夫妻はロードアイランド州ニューポートで見た喫茶室からヒントを得て、寝室5部屋、浴室4つを備える邸宅の建設に着手。94年に入居し、その後23年間に1500万ドル余りを庭の造営や邸宅の修繕につぎ込んだという。

最上階のキッチン

  不動産会社ジロー・グループによれば、7000フィート(約650平方メートル)の広さを持つこの邸宅はこれまでに数回、市場に売りに出された。ウィルナー氏はまず、2008年に3500万ドルで売り出した後に撤回し、その1年後に5000万ドルに値上げした。11年と15年にも売り出しては取りやめ、16年には5500万ドルで市場に出したものの、今年になってまた取り下げた。「4000万ドル台のオファーを受けたが、私はノーと言った」とウィルナー氏は振り返った。

  そんなウィルナー氏が今、この邸宅を4800万ドル(約53億円)の値段で売ろうとしている。「父親が高齢になり、フロリダ州ボカラトンで暮らしているため、この家を売って向こうに移るつもりだ」という。

敷地内にはアメリカオシドリ22羽が生息する2エーカーの池も

  この物件を買う人は、モントークで屈指の大きさの不動産を所有することになる。2エーカーにわたる池には野生動物が多く生息し、「アメリカオシドリ22羽も暮らしている」。砂丘や森、芝地もあるほか、2つの自然な突堤もあり、海に突き出ている。サーフィンや釣りに適した場所もあるという。

最上階のリビングルーム。邸宅内の床は全て大理石

  この邸宅自体は3階建てで、エレベーターのほか、マホガニー仕上げの階段でつながっている。最上階にはキッチン、リビングルーム、ダイニングルームがありテラスに通じる。1階は寝室、その下の階は客室、会議室のほか、14フィート(約4.3メートル)の大型スクリーンとコンサートに適した音響システムも備えたホームシアターがある。全てのフロアは大理石だ。

浴室

ホームシアター

  ウィルナー夫妻がこの物件を購入した当時、モントークはほとんど未開発の地域だった。ウォーホル氏の邸宅と、ラルフ・ローレン氏やロバート・デニーロ氏の不動産があったが、周辺の道路の大半は舗装されていなかったため、週末旅行者の多くは近隣にあるもっとファッショナブルなハンプトンズに滞在していたという。

  もちろん今は状況が変わり、不動産価格は飛躍的に上昇している。ウォーホル氏の邸宅(約6エーカー)は15年にアートディーラーのアダム・リンデマン氏に4900万ドルで売却された。ウィルナー氏の不動産の反対側にある大牧場は、J・クルー・グループのミッキー・ドレクスラー最高経営責任者(CEO)が所有するという。

  「私はここで満足できた。幸せだ」と話すウィルナー氏は「人生の次の章に移るときだ」と考えている。

原題:A Huge Montauk Estate Hits the Market for $48 Million (抜粋)

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