憲法に自衛隊明記を、9条1、2項維持にも理解-維新・片山共同代表

  • 自民改憲草案「国防軍」には「国民のアレルギー、もう少し穏健に」
  • 教育財源は内部留保課税や公務員給与削減で、こども保険には否定的

日本維新の会の片山虎之助共同代表は、憲法9条1項、2項を維持した上で自衛隊を憲法で明文化するとの安倍晋三首相の提案に賛同する考えを示した。25日、ブルームバーグのインタビューで語った。

  片山氏は5兆円超の防衛費を歳出している中で、自衛隊が「憲法上、何の根拠もなく、単なる実力部隊というのは世界的に通らない」と説明。今では国民も親近感を持っていると述べた上で、危険な任務を遂行する自衛隊を「憲法に位置付けないと失礼だ」と話した。

  安倍首相は3日、改憲派団体の主催した会合に寄せたビデオメッセージで、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方」は国民的な議論に値すると訴えた。これについて片山氏は「1項、2項を残した方が国民が安心する」と理解を示し、自衛隊についての条文を「3項にするのか、9条の2にするのか、国民が合意しやすいものにしたらいい」と話した。

  片山氏は、憲法9条の改正の在り方について党としても秋までに結論を出す方針を明言。「後回しでもいいと思ったが、北朝鮮の核ミサイルの脅威を考えると、自衛隊の位置付けは本気で考えないといけない」と語った。一方で、自民党の憲法改正草案に示された「国防軍」については「国民のアレルギーがあるかもしれない。もう少し穏健な表現がいい」と否定的な考えを示した。

教育無償化

  日本維新の会は憲法改正をめぐり、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置を訴える憲法改正原案をとりまとめている。教育無償化については自民党内でも前向きな意見が出ており、安倍首相も3日のメッセージで、義務教育や普通教育の無償化が戦後発展の原動力になったと述べた上で「高等教育についてもすべての国民に開かれたものとしなければならない」と明言した。

  片山氏は、首相のメッセージは高等教育の無償化を意味しているとの解釈を示し、「自民党と公明党も無償化に賛成する」と語る。さらに自民と維新で財源も含めて「どこかの段階で擦り合わせが必要だ」とし、憲法審査会の他に2党間で協議する可能性を示した。教育無償化に限り自民党と共同で改憲案を出す可能性についても「もちろんある。いろんな選択肢がある」と述べた。

  教育無償化の財源案として、片山氏は公務員給与の削減の他に、税制改正の必要性を説く。具体的には内部留保課税の導入や相続税の拡大、さらには研究開発費の税額控除など租税特別措置の見直しを挙げた。自民党内で検討されたこども保険や教育国債には否定的な見解を示した。

幼児教育先行

  片山氏は、財源問題もあるため無償化は「段階的にやっていく」とし、少子化対策や子育て世帯の負担減につながる幼児教育が先行する可能性を示した。高等教育については、大学の質を高める改革を行いながら、私立を含めたすべての大学の無償化が必要だと訴えた。具体的には、教育費として利用できる引換券を保護者に配布する「バウチャー制度」が有力な検討項目だと述べた。

  民進党は、教育の無償化は法改正でも対応可能で、憲法改正は必要ないと批判している。これに対して片山氏は「憲法に書けば内閣が替わっても義務付けられるし、日本は教育立国だと世界に対して宣言できる。どうせやるなら堂々と国の大政策として打ち出した方がいい」と反論した。

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広川高史

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