ドル・円が下落、ポンドなどクロス円の売りで3営業日ぶり安値更新

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  • 世論調査を嫌気しポンド全面安、原油安で資源国通貨も売られる
  • 来週に向けては雇用統計など米経済指標が焦点に

東京外国為替市場ではドル・円相場が下落。英政治懸念や原油安を背景にポンドや資源国通貨が下落する中、クロス円の売りに押される展開となった。

  26日午後4時24分現在のドル・円は前日比0.5%安の1ドル=111円28銭。早朝に付けた111円85銭から徐々に値を下げ、午後には3営業日以来の安値となる111円25銭を付けた。ポンドは前日発表の1-3月期の英国内総生産(GDP)の下方修正に続き、英世論調査での与党保守党の支持率低下が嫌気され、対円で約1カ月ぶり安値を更新した。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、東京市場ではポンドの下落が目立つ一方、ドル・円単体については「110円を攻めても下がらないが112円は重いということで、市場参加者も手が出なくなっている」と説明。この日発表の米経済指標が弱めの数字となれば、一定のドル売り材料となる可能性があるものの、「レンジ感を大きく切り下げるには至らない」との見方を示した。
  
  ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨全てに対して前日比で上昇。ドルも大半の通貨に対して上昇しており、一時はほぼ全面高となっていた。
 
  ポンドは全面安となり、対円では1.1%下げ、一時1ポンド=143円11銭付近まで下落した。対ドルでは一時0.6%安の1ポンド=1.2861ドルと12日以来の水準でポンド安に振れた。

  資源国通貨も続落。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟の減産延長合意が9カ月と予想通りとなり、原油相場が大幅続落したことが背景で、オーストラリア・ドルは対円で4営業日ぶりとなる1豪ドル=82円台後半、対ドルで1週間ぶりとなる1豪ドル=0.74ドル台前半まで下落した。ニューヨーク原油先物相場は時間外取引で一時1バレル=48.21ドルと1週間ぶり安値を付けている。  

米経済指標が焦点に

  ブルームバーグ調査によると、26日発表の4月の米耐久財受注は前月比1.5%減が見込まれている。1-3月の米GDP改定値は前期比年率0.9%増の予想。速報値は0.7%増と3年ぶりの低成長だった。

   FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、6月の米利上げがほぼ確実で、ドル・円の下値は堅いものの、「トランプリスクやユーロ高によるドル安傾向もあるので、上値も追えなくなっているようにみえる」と指摘。そうした中、「今月は米指標で弱いものが多かったので、来週はそれが変わるか見極めの週になる」とし、9月以降の米利上げをそれほど織り込んでいない状況の中、米指標で強めの数字が続き、米債利回りが上昇基調に戻れば、ドルも買われやすくなる可能性があると語った。

  米国では来週、5月のISM(供給管理局)製造業景況指数や雇用統計が発表される。

  米セントルイス連銀のブラード総裁は26日、都内で記者団に対して、米金融当局は政策金利の必要とされる水準に「極めて接近」しており、大幅引き上げありきで考えるべきでないと語った。バランスシート縮小については、今年後半から再投資プログラムの打ち切りに着手することを望むとも話した。

  一方、ワシントン・ポスト紙は、2016年米大統領選などへのロシアの介入疑惑の捜査の一環として、捜査担当者は大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏の一連の会合に焦点を絞っている、と伝えた。SMBC信託銀行金融商品開発部のシニアマネジャー、シモン・ピアンフェティ氏は、同報道も多少ドル・円の重しになった可能性があると話していた。  

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