山本環境相:カーボンプライシング導入は世界潮流、議論進める必要

  • 経産省や産業界は導入に難色、国際的な競争力低下を懸念
  • 福島原発事故後に化石燃料の利用増、温暖化対策の前進阻む

山本公一環境相は、排出された二酸化炭素(CO2)に値段を付けて温室効果ガス削減を目指す「カーボンプライシング(炭素の価格付け)」の導入について、世界潮流であり議論を進める必要があるとの見解を示した。

  山本環境相は今週、ブルームバーグとのインタビューでカーボンプライシングについて「低炭素社会をつくっていくための一つの有効な手段」と指摘。「世界の潮流であることは間違いない。日本の企業が生き残るためには世界の潮流を見誤ってはいけない」とし、カーボンプライシングの利点と温室効果ガス排出削減の有効性について国内で議論がさらに進むことを望むと述べた。

山本公一環境相

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  環境省が3月に発表した報告書「長期低炭素ビジョン」によると、日本では2012年から地球温暖化対策のため、全化石燃料から排出されるCO2に対し289円(1トン当たり)課税されているが、諸外国の炭素税率に比べると極めて低い。

  本格的なカーボンプライシング導入については、産業界から、企業にとって負担となり国際的な競争力低下につながるとの懸念が強い。経済産業省は4月に発表した温暖化対策に関する報告書で、カーボンプライシング施策の追加的措置は必要ない状況としている。

先行国の経験から学ぶ

  山本環境相は、カーボンプライシングの利点と問題点については慎重に検討する必要があり、排出量取引を導入するのか、炭素税が適しているかについてはこれから議論する問題と説明。日本は世界の流れから遅れているため、先行国の経験から学び、良い部分を取り入れることができるというメリットがあるとの見方を示した。

  11年の福島第一原子力発電所事故後に火力発電が増えて拡大した石炭など化石燃料の利用については、石炭と比べ、ガスならCO2排出量は少なくとも2分の1になることから、石炭を燃料として使うということは、温暖化対策の前進を放棄するものだと語った。

  環境省は6月2日にカーボンプライシングの在り方について第1回の検討会を開催する。

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