片岡、鈴木両氏が日銀審議委員に-国会同意、政策全員一致との見方も

  • 反対票投じてきた木内、佐藤両氏は退任へ、9月会合から新メンバー
  • 片岡、鈴木両氏は「基本的に黒田総裁に追随」とゴールドマン馬場氏

衆院本会議は26日、日本銀行政策委員会の新しい審議委員に三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済政策部上席主任研究員の片岡剛士氏と、三菱東京UFJ銀行取締役常勤監査等委員の鈴木人司氏を起用する人事案を賛成多数で可決した。参院本会議は24日に可決済みで、両氏は7月23日に任期を迎える木内登英、佐藤健裕両氏の後任として同24日に就任する。

  任期は5年で、9月20、21両日の金融政策決定会合から参加する。これまで反対票を投じてきた木内、佐藤両氏が退任することで、金融政策運営方針は全員一致になるとの見方も出ている。

  ブルームバーグが入手した政府の国会提出資料によると、片岡氏は44歳。経済政策の調査に約20年間携わっており、理論やデータに基づく「分析手法は高い評価を得ている」という。「アベノミクスのゆくえ-現在・過去・未来の視点から考える」(光文社新書)などの著書がある。慶応大学大学院商学研究科修士課程修了。

  片岡氏は昨年4月、自民党有志議員の勉強会「アベノミクスを成功させる会」(会長・山本幸三地方創生担当相)で消費増税の凍結を提唱。同年11月のリポートでは、「2%のインフレ目標に向けたモメンタムが維持されているとは全く思えない」とした上で、「早期の追加緩和という具体的なアクションを行うことが定石であり、かつ必要である」との見解を示していた。

  鈴木氏は63歳。1977年に慶応大学経済学部を卒業後、当時の三菱銀行に入行した。東京三菱インターナショナル・ロンドン副社長を経て、三菱東京UFJ銀行の市場企画部長や副頭取などを歴任し、2016年6月から現職。金融市場の実務に精通していることや国内外の幅広い人脈が評価された。

採決は全員一致か

  SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは4月27日付のリポートで、片岡氏は「リフレ派で金融緩和に積極的」である一方、鈴木氏は「銀行出身ということもあり場合によっては金融緩和縮小を求める可能性がある」と指摘。その上で、「金融緩和に慎重だった木内、佐藤両氏に代わってリフレ派が1人入るということであるから、日銀政策委員会内はハト派色がより強くなる」とみている。

  ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは4月19日付のリポートで、同じくリフレ派である岩田規久男副総裁と原田泰審議委員も黒田東彦総裁の金融政策提案には一度も反対票を投じたことがないことから、片岡氏も「基本的には黒田総裁の決定に追随すると思われる」と予想する。

  鈴木氏についても、出口議論の際に「内部的に重要な役割を果たす可能性があるが、やはり基本的には黒田総裁に追随する票を投じると思われる」と指摘。これらの人事交代により「表向きの票取りについては、全員一致に近くなる」とみている。

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