日本株は3日ぶり反落、円高や「加計」問題警戒-輸出、鉱業広く売り

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  • セントルイス連銀総裁、2%の米インフレ目標未達を懸念
  • 原油大幅安も影響、唯一の上昇業種は任天堂の「その他製品」

26日の東京株式相場は3日ぶりに反落。為替の円高推移に加え、米国に続き日本でも「加計学園」問題など政治の不透明感が広がってきたことが警戒された。機械や輸送用機器など輸出株、海運やパルプ・紙株など幅広く売られ、海外原油市況の大幅安を受け、鉱業株は業種別下落率トップ。

  TOPIXの終値は前日比9ポイント(0.6%)安の1569.42、日経平均株価は126円29銭(0.6%)安の1万9686円84銭。両指数は小安く始まったものの、午後の取引で下げ幅を広げる展開となった。

  りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、きょう下落する明確な理由に乏しいが、「日経平均2万円を目前とした上値の漠然とした重さが意識されている」と指摘。上値が重い理由として「景気、『加計学園』問題、成長戦略に対する3つの懸念」を挙げた。

東証内

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  きょうのドル・円相場は、朝方に1ドル=111円80銭台まであったものの、その後は同40銭台とドル安・円高方向で取引された。チャートは、投資家の中期売買コストを示す75日移動平均線(112円7銭)にドルの上値が抑えられている。政治懸念から英ポンドは下落した。

  25日の米10年債利回りはほぼ変わらず、26日のアジア時間でも上値が重い展開だった。米セントルイス連銀のブラード総裁は都内での講演テキストで、米金融当局が過去5年間にわたって2%のインフレ目標を達成できていないことに懸念を抱いている、との見解を示した。

  また、25日のニューヨーク原油先物は4.8%安の1バレル=48.90ドルと大幅続落。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟の主要産油国が減産措置の9カ月延長で合意したものの、減産幅の拡大や2018年3月以降については言及しなかった。

  岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「米国の年内利上げ回数に対する目算が外れ、さらなる円安による業績向上への市場の期待感がなくなった」とし、原油が安くなると、ドル安・円高になりなすいとの見方も示す。日経平均が心理的節目の2万円を超え、明確に上昇するシナリオを描きづらく、「いったん利益確定しようと手じまい売りが出ている」と言う。

  需給面でも、海外投資家の上値追いへの期待が後退している。東京証券取引所や大阪取引所が25日に発表した5月3週(15ー19日)の投資部門別売買動向によると、海外勢は現物・先物合計で1000億円を超す売り越し。伊藤氏は、「『加計学園』問題をめぐって日本の政権が不安定になりかねないとの懸念などがくすぶり、海外投資家が様子見ムードであることも上値を買う投資家が少ない一因」とみている。

  もっとも、株価の先行きについて悲観的に見る向きも少ない。米国では25日、家電量販店ベスト・バイなどの決算が予想を上回り、先週の米週間新規失業保険申請件数で労働市場の底堅さを確認した。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「米金融政策がハト派的になったことで過剰流動性相場の終焉は過度に意識されず、世界の投資環境は落ち着く」と分析。一方、米国の利上げがマイルドになることは為替面で日本にマイナスとなり、日本株の膠着感が強まると予想した。

  東証1部33業種は鉱業やパルプ・紙、機械、電気・ガス、ガラス・土石製品、海運、輸送用機器、サービス、精密機器など32業種が下落。その他製品の1業種のみ上昇。売買代金上位ではコマツやJR九州、リクルートホールディングス、関西ペイント、ジェフリーズ証券が投資判断を下げたMonotaROは安い。半面、主要タイトルの好調を材料にモルガン・スタンレーMUFG証券が目標株価を上げた任天堂が2009年1月以来の高値。エムアップやKLabも高い。

  • 東証1部の売買高は15億6361万株、売買代金は2兆1551億円
  • 東証1部の値上がり銘柄数は379、値下がりは1538
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