桜井日銀委員:値上げは「例外」、物価上昇イメージしにくい

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  • 成長力への不安が節約志向や慎重な賃金設定強める
  • 実際の物価上昇率高まれば、予想も次第に変化

日本銀行の桜井真審議委員は25日午前、佐賀市内で講演し、一部のサービス業などの値上げが大々的に報道された事について「日本では依然として値上げはどちらかと言えば例外的なことであり、当然の事として受け入れるような状況にはないことを実感する」と語った。

  桜井委員は、労働需給や企業収益の改善の状況と比べて「物価や賃金の伸びはやや物足りない印象がある」と説明。背景として、日本では過去数十年間、物価上昇率が低い水準で推移しており、国民が「毎年ある程度物価が上昇していくという状態をイメージしにくい」と述べた。

  また日本経済の潜在的な成長力への不安も「家計の節約志向や企業の慎重な賃金設定スタンスを強めている側面もある」と語った。

  先行きについては、エネルギー価格上昇や円安の影響で実際の物価上昇率が高まれば、「物価にかかる予想も次第に変化してくる」と分析。物価は「次第に明確な上昇基調に転じていく」と予想した。

  26日発表される消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、ブルームバーグ調査の予想中央値は前年比0.4%上昇と4カ月連続のプラスが見込まれる。ただ生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは横ばいと、引き続き低迷が予想される。

  講演後に行った会見では、2018年度ごろとしている物価上昇率2%の達成時期が遅れた場合、経済状況に応じて「何か考えていくことになる可能性は出てくるかもしれない」と述べた。ただ需給ギャップが持続的に改善している状況では、一定期間が経過した後に物価が上昇することもあり「見守ってもいいのではないか」と語った。

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