米予算教書:400兆円の歳出削減求める-トランプ氏の支持者に大打撃

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トランプ米大統領の就任後初となる予算教書は、貧困層や障害者、農家などへのセーフティーネットを削減して社会における政府の役割を劇的に縮小させ、同氏を大統領就任へと導いた地方の低収入労働者の多くに大きな打撃を与える内容となった。

  23日に公表された予算教書は、歳出を今後10年間で3兆6000億ドル(約400兆円)減らすとしており、フードスタンプ(食料配給券)やメディケイド(低所得者向け医療保険制度)、低所得者向け住宅の補助、高齢者の食事宅配サービス向け補助金などの大幅削減が盛り込まれた。

  トランプ政権はこの予算教書を通じて、税金を補助金として使う人ではなく税金を払う人の利益に重きを置く政府となるよう見直しを呼び掛けている。

  米行政管理予算局(OMB)のマルバニー局長は「これは納税者第一の予算だ」と述べた。

  さらに「思いやりを測る目安として、われわれは支援プログラムの数や、これらプログラムへの支出額を用いることをやめる」とし、補助を受ける人たちの労働力復帰を後押しすることが政策の目的だと説明した。

  共和党のマコネル上院院内総務は、同党が多数派を占める議会は予算案を大方無視するだろうと述べている。先週のブルームバーグとのインタビューでは、初期の予算案が「必ずしも共和党のもの」ではない優先事項を反映していると発言した。

  今回の予算教書では10年以内に予算を均衡させるとしている。しかし、それが実現するかどうかは、まだ政府が詳細をほとんど示していない税制改革案の活用にかかっており、会計上のからくりを多用する必要もある。

  予算教書は選挙公約通り社会保障の退職手当やメディケア(高齢者向け医療保険制度)を現状維持する一方で、国家安全保障支出を増やす内容。また海外援助の大幅削減と、低所得労働者が有利な減税を受ける要件の厳格化も提案している。

  予算教書は一部の新たな国内支出も提案しており、これには大統領の長女イバンカさんが支持する有給育児休暇向けの10年間で250億ドルや、経済的支援が必要な学生向けのペル奨学金の拡大が含まれる。国土安全保障省予算はオバマ前政権の最終年度よりも30億ドルの増額を求めている。

  非政府組織(NGO)「責任ある連邦予算委員会」のマヤ・マクギネス委員長は、トランプ大統領の税制案が歳入中立であり、経済成長を促すことで税収が2兆-2兆6000億ドル増えるとのホワイトハウスの2つの主張は共に現実的でないと指摘。トランプ政権が想定する3%の経済成長も実際に可能ではないとしている。

  また予算教書は金融業界の規制変更と、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の秩序立った清算権限の廃止で350億ドルが節減できると想定している。

  さらに「国境の壁」の18年度予算として26億ドルを求めている。トランプ大統領は総費用として80億-120億ドルを見込んでいるが、専門家の大半はこれを上回ると予想している。

原題:Trump’s $3.6 Trillion Budget Cuts Hit His Own Supporters Hard(抜粋)

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