Jリートの運用をしている三菱商事UBSリアルティの辻徹社長は、日本の不動産市況について値上がりに伴う売買減少を踏まえて「全般的にピークになっている」と指摘。超低金利政策の下で伸び続けていた不動産向け融資が今後、抑制される可能性があるとして、2020年東京五輪前に不動産価格が下落する公算もあるとの見方を示した。

  辻社長はブルームバーグのインタビューで、不動産取引の現状について「高値で買う人もいる」としながらも、「不動産を買うプレイヤーが徐々に減っている」と指摘。また、1-3月のアパート向け融資が減少するなど「金融が弱含むきっかけが少し出てきた」と述べ、「2020年より前に金融機関が不動産融資を抑えがちになると、少し不動産マーケットは落ち着く可能性があると思う」との見方を示した。

  米総合不動産サービスのJLLの調査によると、日本の不動産売買は物件価格の上昇を受けた利回りの低下で、15年、16年と2年連続で減少した。また日本銀行の異次元金融緩和政策を背景に増加し続けていた不動産向け融資も転換点に差し掛かっている。日銀統計によると、1-3月の国内銀行の「個人による貸し家業」向けの新規貸し出しは前年同期比0.2%減の1兆508億円と14年10-12月以来初めて減少した。
    
  辻社長は、運用する日本リテールファンド投資法人の資産規模拡大について「年間700億円が理想だが昨年は200億円に減少した。今後は500億円程度を想定している」と語り、約3年後には1兆円(現在約9000億円)の達成を目指すという。

  ただ、一等地の不動産投資は依然活況が続いている。辻社長は銀座や表参道など立地の良いエリアの不動産価格は「利回りからみて上限だと思うが、さらに高い価格で買おうとする動きがある」と指摘。日リテF投が16年3月に130億円(坪単価2億円)で取得した銀座中央通りの商業施設も「鑑定価格が上昇しており、取得価格以上で取引される可能性はある」と述べた。

  三菱UBSリアルティは、日本リテF投のほか、産業ファンド投資法人、MCUBS MidCity投資法人のJリートも運用している。これらの運用資産規模は計約1兆4000億円。

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