債券上昇、流動性供給入札が順調-米政権の不透明感でフラット化圧力

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  • 新発20年債利回り0.56%、新発30年債利回り0.795%まで低下
  • アクティビティ自体は下がっている-メリル日本証

債券相場は上昇。この日実施の流動性供給入札を順調に通過したことに加えて、日本銀行の国債買い入れオペ実施を翌日に控え、先物中心に買いが優勢になった。トランプ米政権に対する不透明感が強まる中で円高・株安が進み、超長期ゾーンも堅調に推移した。

  23日の長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比横ばいの150円55銭で取引開始。150円59銭まで買われた後はいったん下落に転じたが、午後は再び150円60銭まで買われ、結局4銭高の150円59銭で引けた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「流動性供給入札は警戒感もあったが結果は悪くなかった。今週はオペが続くので金利上昇方向もあまり期待できない」と指摘した。また、「米政局の不透明感からイールドカーブがフラット化する可能性はある」との見方を示した。

  現物債市場で新発20年物国債の160回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.56%に下げた。新発30年物54回債利回りは同1bp低下の0.795%、新発40年物9回債利回りは1.5bp低下の1.015%までそれぞれ買われた。

  長期金利の指標となる新発10年物の346回債利回りは0.5bp高い0.05%と11日以来の高水準で取引を始めた後、0.045%に戻した。みずほ証券の稲垣真太郎マーケットアナリストは、「節目として意識されやすい0.05%では下値を固める展開」とみていた。

米政権の不透明感

  22日の米国債市場では10年債利回りが前週末比2bp上昇の2.25%程度と朝方の円債相場の重しになったが、アジア時間では2.22%程度まで戻した。東京外国為替市場のドル・円相場は一時1ドル=110円台後半までドル安・円高が進んだ。トランプ米大統領の新たな疑惑が浮上して米政治情勢の不透明感が高まり、リスクオフの円買いが優勢になった。

トランプ米大統領

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  ワシントン・ポスト紙は、トランプ大統領が3月にコーツ国家情報長官とロジャーズ国家安全保障局(NSA)局長に対し、選挙戦でのトランプ陣営とロシア政府の間の共謀の存在を公式に否定するように求めていたと伝えた。

流動性供給入札

  財務省が実施した残存期間5年超15.5年以下の銘柄を対象とする流動性供給入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が3.55倍と、前回4月25日の同ゾーンの入札の3.42倍を上回った。平均落札利回り差はマイナス0.004%だった。

  メリル日本証の大崎氏は、「ディーラーが買って日銀に売る展開が続いているのではないか」と指摘する。「アクティビティ自体が下がっており、売りも買いも乏しい。20年で0.6%や30年で0.8%を超えてくれば少しは投資家の買いも出てくるが、水準的にまだまだ」と言う。

過去の流動性供給入札の結果はこちらをご覧ください。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「24日と26日に日銀の国債買い入れオペの通知を控えており、需給面の不安は少ない」と指摘する。

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