ドル111円前半、米金利正常化期待支えも上値重い-北朝鮮の影響限定

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  • 早朝に110円88銭まで下落した後、111円61銭まで上昇
  • 米利上げは6月にも、その先にもあるだろう-みずほ証

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円台前半で推移。週末の北朝鮮のミサイル発射を受けたドル売り・円買いは限定的となり、米連邦準備制度理事会(FRB)による金利正常化期待が相場を支えたものの、上値は重かった。

  22日午後4時12分現在のドル・円は前週末比ほぼ変わらずの111円31銭。早朝に110円88銭まで下落した後、111円61銭まで上昇した。午後は上値が重くもみ合う展開。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高の1201.46。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、ドル・円について「トランプ米大統領に対する失望・警戒もあり上値が抑えられてはいるが、景気回復と利上げペースという意味ではなかなか落ちない。もともと景気が良くて利上げしているので、トランプ大統領が得点さえできれば、最終的にはファンダメンタルズと利上げがドル・円を引き上げると思っている」と指摘。「マクロ経済などを考えると米利上げは6月にも、その先にもあるだろう」と述べた。

  オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づいて推計される6月の米利上げ確率は83%程度に達している。米国では22日、ブレイナードFRB理事を始め、フィラデルフィア連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁らが講演する。

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  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、ドル・円について「北朝鮮がミサイル発射したことが嫌気されて朝方に円高方向に動いた。しかし111円を割った水準ではFX取引会社から買い注文が入り切り返した」とし、影響は長続きしなかったと説明。「FRB要人発言などで金利正常化期待がサポート要因」とした上で、6月の米利上げの意思決定に関しては「株価が反応しない限り、トランプ政権の支持率は影響しないと思う」と述べた。

  前週末19日の海外市場では、ロシア疑惑に関する米紙報道を受けてドルが反落。一方、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)上昇の2.24%程度だった。

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  三菱東京UFJ銀行の金融市場部為替グループの野本尚宏調査役は、「ドル・円はコミー前連邦捜査局(FBI)長官長官の公聴会が月末ということで、政治的な不透明感は上値の抑制要因として意識されやすい」としながらも、「新たな材料が出てこない限り、ドルの下値を売る感じになりづらい。基本的にはドルが買い戻される局面もあるとみられ、戻りのめどは112円半ば」との見方を示した。 

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%安の1ユーロ=1.1187ドル前後。前週末には一時1.1212ドルと昨年11月9日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。この日はユーロ圏財務相会合がブリュッセルで開かれる。

  三菱モルガンの植野氏は、「ユーロ高というよりドル安。ロシア疑惑でドル売りに傾いている中で、受け皿として円よりもユーロの方が買われている。日本は物価目標達成が視野に入らずテーパリング・利上げ観測がないため円は弱い」と分析。もっとも「ユーロロング(買い建て)・ドルショート(売り建て)になっており、やり過ぎ感もある。欧州中央銀行(ECB)のテーパリング観測といっても年明け以降と半年以上先の話だろう。上値を追いかけていく感じではない」と語った。

  米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)の先物取引非商業部門は16日時点で、ユーロが対ドルで3万7604枚の買い越しとなり、2014年3月以来の高水準となった。

  ポンド・ドルは同時刻現在、0.4%安の1ポンド=1.2991ドル。みずほ証の鈴木氏は「英国の総選挙が近づいてきている。万が一メイ首相の保守党が負けたら波乱要因になる。1.3ドル絡みでいったん止まるかなと思っている」と語り、当面1.25~1.35ドルのレンジ内で推移を見込んでいる。

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