日本株は続伸、過度な米政治警戒の後退と商品高-売買代金2兆円割れ

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  • 鉄鋼や保険、機械、資源セクター中心に広く買われる
  • 代金はおよそ1カ月ぶり低水準、コミー前FBI長官の証言見極め

22日の東京株式相場は続伸。米国の政治混乱に対する過度な警戒が和らぐ中、原油など国際商品市況の上昇や為替市場で円高の勢いが一服したことが好感された。鉄鋼など素材株、保険など金融株や不動産株のほか、機械など輸出株も堅調。

  TOPIXの終値は前週末比7.92ポイント(0.5%)高の1567.65、日経平均株価は87円52銭(0.4%)高の1万9678円28銭。

  損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの狩野泰宏シニア・インベストメントマネジャーは、「トランプ米大統領の弾劾についてはすぐに白黒がつくわけでなく、経済環境の基調自体は強い」とし、現段階では「トランプ大統領が辞めることが市場でメインシナリオとはなっておらず、米国株が落ち着きつつあることが日本株の戻りにつながっている」との見方を示した。

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうの為替市場ではドル・円相場が一時1ドル=111円60銭台と、トランプ米政権のロシア関連疑惑をきっかけに先週進んだ急速な円高の勢いが鈍化した。19日の米国株は、好調な経済統計や原油高などを材料に主要株価指数は続伸し、米国株のボラティリティ(変動性)指標であるシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は18%低下。21日には北朝鮮が弾道ミサイルを試射したものの、東京時間で顕著なリスク回避の動きは見られなかった。

  19日のニューヨーク原油先物は2%高の1バレル=50.33ドルと節目の50ドル台に乗せ、1カ月ぶりの高値。石油輸出国機構(OPEC)総会を25日に控え、産油国が減産合意を延長し、世界的な供給超過の解消へ取り組みを続けるとの見方が広がっている。ロンドン金属取引所(LME)の銅やニッケルなど金属市況も上げた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「原油価格がバレル当たり50ドル台乗せとなったことを受けて投資家がリスクオン材料の一つとして捉えたほか、背景にある世界景気の堅調さも評価された」と言う。

  海外、為替市場の落ち着きを材料に週明けの日本株は朝方から買い優勢、日経平均は一時132円高まで買われた。業種別では、保険やその他金融など金融株が終日堅調。前週末の米S&P500種株価指数の業種別11指数で、金融が0.8%高と続伸したことを受けた。鮎貝氏は、「トランプ関連業種として政策警戒で売られたところに、いったん買い戻しが入った。国内では、自社株買いへの評価などから保険が先週末に買われた流れも続いている」とみていた。

  もっともTOPIX、日経平均とも今月に空けたチャート上の窓(空白)を埋めた後は伸び悩み、売買代金も低調。ワシントン・ポスト紙は19日、ロシア関連捜査で現在のホワイトハウス当局者が浮上したと報じた。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、トランプ米大統領の弾劾につながる決定的な証拠までは出そうにないと予想する半面、「ホワイトハウス高官も疑わしいとみられたために調査対象となった。コミ-前FBI長官の公聴会証言までは楽観にもなりにくい」としている。

  東証1部33業種は鉄鋼、その他金融、不動産、機械、保険、鉱業、証券・商品先物取引、非鉄金属など30業種が上昇。海運と医薬品、繊維の3業種は下落。売買代金上位では、米農機大手ディアの好決算から連想買いが広がり、クボタが高い。ドイツ証券が投資判断を上げたリコー、みずほ証券が判断を上げた資生堂も買われ、SMCや新日鉄住金、SOMPOホールディングスの上げも目立った。半面、リクルートホールディングスやテンプホールディングスは安い。

  • 東証1部の売買高は14億6741万株、売買代金は1兆9224億円、代金の2兆円割れは4月18日以来
  • 値上がり銘柄数は1354、値下がりは531
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