スバル:開発中のEVは既存車種にシステム搭載-安全性能で勝負

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「スバルの魅力というのが上位概念にあって、それのEVバージョンを選べるようにしたい」--。スバルが2021年に発売予定の電気自動車(EV)について、吉永泰之社長は、最終的には決めていないとしながらも、全く新しいものではなく既存モデルをEV化する考えを示した。

  吉永社長は19日の本社でのインタビューで、4月に発表したSUVの新型「XV」を例に挙げ、中国の顧客が購入したい時に環境規制によりEVしか買えないとすると、そのモデルの「EVバージョンがつくりたい」というのがスバルの考え方だと話した。

吉永泰之社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  自動車メーカーでは車の情報化対応や自動運転など次世代技術の開発コストが増大する中、スバルでも今年度の研究開発費を前年度比17%増やし1340億円とする計画を打ち出している。10年度は429億円だったが、15年度に1024億円、16年度には1142億円と、最近は年々増額している。技術開発については選択と集中が必要との方針で、今後最も力を入れて進めるのは電動化としている。

  電動化に向けて現在、先行開発の段階で、モーターとバッテリーの調達先について、吉永社長は「候補を絞り込んでいるくらいの段階」とした。決定は1年後くらいの予定で、パナソニックをはじめ、韓国のサムスンなど国内外の企業で検討している。

  主要自動車メーカーはEVモデルの開発・投入に力を入れている。背景には、各国が排ガスを出さないゼロエミッション車の普及に向けて規制の強化を進めていることがある。国内最大手のトヨタ自動車はEV開発の社内ベンチャーを立ち上げ、小さな組織で迅速な開発を目指している。
   
  スバルでは次世代車の開発に向けて、既に海外部品メーカーと取引が拡大していると吉永社長は明かす。新技術の開発に関しては「相当早い段階」から部品メーカーと協力して進めており、「そうしていかないとこんな変化の激しい時代に間に合わない」と話した。海外の有力部品メーカーも含め、今後各社との付き合いが「とても大事になる」と強調した。

スバルの魅力は「安全」

  主力の米国市場での販売好調について、吉永社長は「今売れている一番の理由は安全性」と強調する。ステレオカメラが障害物を察知し車が自動停止する運転支援システム「アイサイト」搭載の主力車「インプレッサ」が米国道路安全保安協会の17年安全評価で最高の「トップセイフティピック」を獲得するなど、安全性能が販売拡大に寄与しているという。

  左右に分かれたピストンが対称的に動き振動を打ち消しあう「水平対向エンジン」はスバルの代名詞とも言えるが、吉永社長は顧客に選ばれるのは安全性であり、電動化によって「動力源が変わっても関係ない」と話す。

  アイサイトについては17年と20年にバージョンアップの予定で、吉永社長は「手ごろな価格」で「なおかつ性能が高い」という点で「非常に優位性がある」と述べ、安全性能をめぐる競争激化の中でも特色を示していけるとの認識を示した。

  スバルには最大市場の米国について、吉永社長は需要が「ピークアウトはしている」としながらも「大きく言えば好調が持続されている」と話した。景気拡大が9年目に入り、「必ずどこかで大きな減速が来ると思う」と懸念も示した。現地では競争が激化して販売奨励金(インセンティブ)が増大傾向にあり、スバルも今年度は前年度と比べ1台当たり400ドルの増額を見込んでいる。

(第6、最終段落に海外部品メーカーとの協力、米国市場の情報をそれぞれ加えました.)
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