三井物産:オルタナティブ商品の販売強化-資産残高6割増の1兆円へ

  • 証券子会社の40億円超の増資引き受け、商品販売やファンド組成拡大
  • マイナス金利下でインフラや不動産など実物資産への関心高まる

三井物産はオルタナティブ(代替)資産と呼ばれる金融商品の取り扱いを強化する。傘下の証券子会社を通じて、海外の不動産ファンドなどの販売商品の品ぞろえを増やすほか、太陽光発電などのファンド組成も拡大する。マイナス金利下で資金運用難にある国内機関投資家の需要を取り込む。3年後に取扱資産残高を現在の6割増となる1兆円に拡大することを目指す。

  三井物産オルタナティブインベストメンツ(東京千代田区)の鴨崎晃社長がブルームバーグのインタビューで述べた。「マイナス金利が続く中、機関投資家は資産ポートフォリオに占める日本国債の比率を減らしており、限られていたオルタナティブ投資の枠が広がった」と指摘。「量、質共にビジネス拡大のチャンスが出てくる」とみている。

  2001年にオルタナティブ専業の証券会社として設立したジャパンオルタナティブ証券を今年4月に社名変更した。非資源分野の強化を掲げる三井物産が増資の引き受けを決め、4億8000万円の資本金を今年度中に48億3000万円にまで引き上げる計画。今月、すでに30億円分を実施した。増資で得た資金は自己投資に充てる。自社が取り扱うオルタナティブ資産に限定して自ら投資することで、顧客への販売促進効果と投資リターンを狙う。

  国内でのオルタナティブ資産と言えば、従来はヘッジファンドやプライベート・エクイティーが主流だった。ただ、ここ2年ほどはヘッジファンドの運用成績が低迷。原油などコモディティー価格の下落もヘッジファンドにとっては逆風となった。投資リスクの分散効果を高めるため、インフラや不動産など実物資産を裏付けとした他のオルタナティブ資産への関心が国内の機関投資家の間で高まっているという。

太陽光ファンドなど組成

  三井物産は昨年10月、自然災害リスクの分散を目的とする再保険ファンドの運用を受託するニュー・オーシャン・キャピタル・マネジメント(バミューダ)の株式15%を取得。今年2月には米不動産運用会社CIMグループ(ロサンゼルス)の株式2割を取得すると発表した。これら金融機関が取り扱う商品を三井物産オルタナティブインベストメンツが国内の機関投資家向けに新たに販売していく。

  ファンド組成にも力を入れる。3月に50億円の太陽光ファンドを組成。兵庫県にある太陽光発電所(出力9.5メガワット)を取得した。昨年1月に組成した100億円の太陽光ファンドに続く案件。2号ファンドは今年度中に資産を積み増し、300億円にまで拡大する。昨夏には30億円の航空機リースファンドも組成しており、今後は洋上風力発電などを対象としたファンド組成も検討していく。

  鴨崎社長は「日本におけるオルタナティブ専門の証券会社としては草分け的な存在だと自負している」として「商品を目利きする力を強みに、日本の投資家が次に必要とする商品を欧米で探して販売してきた」と説明。「ヘッジファンド一辺倒だったオルタナティブ分野では価格下落リスクが限定された上で、より高い利回りの商品を求めるニーズが今後も続く」として、17年3月末時点での取扱資産残高6200億円を20年3月期には「1兆円にもっていきたい」と述べた。

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