みずほFG:海外金融債引き受け強化、世界で専門チーム25人設立

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  • 規制対応で金融債需要が大、金融法人は戦略的に重要-金森ヘッド
  • 世界社債引き受けランキングは現在12位、金融債限定では19位

みずほフィナンシャルグループは、傘下の証券会社を通じて、世界的に発行需要の多い金融機関債の引き受け業務を強化する方針だ。欧米やアジアで計25人程度の金融債専門チームを作っており、海外投資銀行部門全体の人員も増強する。

  みずほ証券の金森裕三グローバル投資銀行ヘッド・常務執行役員は、金融債引き受けに特化したチームを日本、香港、ニューヨークに加えてロンドンでも昨年立ち上げたことを明らかにした。陣容は日本が10人程度、海外拠点が15人程度で、グローバル市場で資金調達する国際的な金融機関に合わせて態勢強化を図っているという。

  ブルームバーグのデータによると、みずほFGは年初来の世界社債(金融債を除く)引き受けランキングは約238億ドル(約2兆6400億円)で12位。2015年の英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の北米資産買収で、米事業会社債の引き受けが強化されたが、金融債に限った引き受けランキングは年初来で19位にとどまっている。

  世界の金融債の発行規模は16年で2兆851億ドル(236兆6171億円)と、事業債にほぼ匹敵する。バーゼル3やTLAC(総損失吸収能力)など銀行の財務健全性を高める規制に対応して金融債の発行需要は依然大きい。金森氏は「グローバルな対応を迫られているFIG(金融法人)にソリューションを示していく好機だ。ビジネス機会だと思っている」と話し、「戦略的に重要なセクター」と位置付けている。

  国内金利の低迷で融資採算が低下する中で、みずほFGのほか三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループも加えた3メガバンクグループは、社債引き受けの手数料など非金利収益の拡大を目指している。JPモルガン証券の西原里江アナリストは、新たなバーゼル4が決まれば「大手銀行は貸出の分の資本をさらに持つ必要がある」とし、「貸し出し以外の手数料ビジネスを一段と強化しないといけない」と指摘した。

  みずほFG株は0.5%高の197円で取引を終えた。

米国のフランチャイズ

  金森氏は、海外での社債引き受けなどDCM事業には「アップサイドポテンシャルがかなりある」とみており、海外の投資銀行部門の人員を「DCMに限らず企業の合併・買収(M&A)なども含めて、今年も10人前後増やしていく」という。投資銀行部門の税引き前利益は「日本と海外がほぼ同じくらいになった。10年前はすごい差があった」と振り返る。

  みずほFGはRBSの北米資産買収を通じ米企業相手にファイナンス事業を伸ばしており、ブルームバーグのデータによればドル建て投資適格社債の引き受けランクは16年、邦銀トップの10位に入った。米起債市場への足場を築いたことで、金森氏は今後「米国のフランチャイズをどう生かすかが課題」と話す。欧州系金融機関の米市場での起債なども視野に入れ、各国ヘッドと定期的に会合を開き、「大西洋をまたぐコミュニケーションの質は深くなっている」という。
  
  ただ、G-SIBと呼ばれる世界的な銀行による起債に食い込むのは、容易ではないとの見方もある。JPモルガン証の西原氏は、RBSの取引先など海外企業を相手に事業債の引き受けはできても、トップバンクの起債に関しては「手伝えるノウハウがあるかというと違うのではないか」と指摘している。

ヤンキー債も強化

  海外債券ビジネスの拡大を図るみずほFGは、金融債のほかに、アジアや欧州の発行体が米国で資金調達するヤンキー債の引き受け獲得にも力を入れている。みずほFGグローバルコーポレート業務部の竹谷学参事役は、4月のインタビューで「世界最大の米国市場でのプレゼンスを高めたいアジアや欧州企業のニーズをとらえ、資金調達や事業戦略を支援することで取引拡大を狙いたい」と述べた。

  3メガバンクグループの今期(18年3月期)連結純利益合計は前期実績比4.8%減の2兆1300億円となる見通しだ。日銀の出口政策が見えない中で、4期連続の減益となる公算。みずほFGの佐藤康博社長は会見で「貸出業務の環境は極めて厳しい。非金利収益を強化していく」と述べた。 

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