5月第4週(22-26日)の債券市場では長期金利の低下が予想されている。米政局の先行き不透明感を背景にリスク回避の資金が流入しやすいことに加え、日本銀行の国債買い入れオペの実施で買い圧力が掛かりやすいことが背景。一方、40年債入札を控えて、超長期ゾーンの需給緩和観測から利回り曲線がスティープ(傾斜)化する可能性がある。

  新発10年物国債346回債利回りは0.04%で15日の取引を開始し、16日には米金利上昇などを受けて0.045%まで上昇した。18日には米政局の不安定化懸念などを背景に0.035%と、10日以来の水準まで買い戻された。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「トランプ政権をめぐる政情不安は目先テーマとしてはまだ続く」とし、「米国の政治不安を背景に金利低下圧力がかかりやすい」と指摘。「トランプ大統領の弾劾にはすぐにならないまでも、税制改革への悪影響なども出てくる」と言い、「金利はなかなか上がりにくい状況が継続する」とみる。

日銀オペと国債入札

  日銀の長期国債買い入れオペは、残存期間「1年超5年以下」が22日と24日、「5年超10年以下」が24日と26日にそれぞれ予定されている。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「オペ予定を見ると、手前のゾーンの需給改善が見込まれ、サポート要因になりそう。金利には下向き圧力が加わりやすい」と予想。一方で、「40年債の入札を控えて、残存25年超に関しては、需給の重さが確認される可能性がある」とみる。
 
  23日に投資家需要の強い既発国債を追加発行する流動性供給入札が実施される。残存期間5年超15.5年以下の国債が対象で、発行予定額は5500億円程度。25日には40年利付国債の利回り競争入札が行われる。発行予定額は前回と同じ5000億円程度となる。

過去の40年債入札の結果はこちらをご覧ください。

  黒田東彦日銀総裁が24日、日銀主催の国際コンファレンスであいさつするほか、27日にも日本金融学会2017年度春季大会で講演する。

黒田日銀総裁
黒田日銀総裁
Photographer: Christopher Goodney/Bloomberg

市場関係者の見方

*T
◎SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジスト
*40年入札、利回りが1%に乗せているものの、生保の運用計画を見てもデュレーションリスクを積む雰囲気はない
*40年入札の結果が鈍ければ、25年超は需給の重さが確認される可能性
*長期金利の予想レンジはゼロ~0.05%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*米政治情勢の不透明感からリスク回避姿勢が強まりやすいが、上値追いには慎重な投資家が多い
*40年債入札、生保や年金資金の需要に支えられ、今月のこれまでの入札と同様、無難に消化されるだろう
*長期金利の予想レンジは0.03~0.06%

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
*金利が低下しやすい環境が続くが、10年債利回りはすでに低下しているので、さらに大きく下がる可能性は低い
*イールドカーブがどうなるか超長期ゾーンに注目、30年や40年の利回りは緩やかな低下基調が続くだろう
*長期金利の予想レンジはゼロ~0.07%

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
*米国の政治的な不透明要因を背景に、債券市場には資金が流入しやすい
*トランプ政権を巡る混乱は短期に解消されるようなものでもない
*長期金利の予想レンジは0.02~0.07%
*T

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