米国のプレッピースタイルの復活を目指すジャック・カールソン氏は、マサチューセッツ州ケンブリッジの高校からジョージタウン大学に進学し、2009年に卒業。その後は英オクスフォード大学に進み、11年に考古学で修士号、15年に博士号を取得した。

  カールソン氏は学生時代に優秀なアスリートだった。同氏は英国で毎年開かれるボートの大会、ヘンリー・ロイヤル・レガッタなどで優勝した経験がある。所属するチームでは、レースのかじ取り役である舵手(だしゅ)を務めた。

  そしてカールソン氏はとうとう、自身の会社の設立にこぎ着けた。同氏は30歳となる直前となった今月、アパレルデザイナーであると宣言。自身のブランド「ローイング・ブレザーズ」がデビューを果たした。

ジャック・カールソン氏
ジャック・カールソン氏
Photographer: Gabriela Herman/Bloomberg

  カールソン氏は「われわれはブレザーの原点に戻っている」 と述べ、「元々のブレザーは現在のパーカーのようなものだった」と説明した。

  「ローイング・ブレザーズ」のジャケットの価格は550ドルから1100ドル(約6万-12万円)。米国製である上に、ひじの部分がすり切れるまで何回も着用できることを考えると、悪くない価格だ。オクスフォード地のボタンダウンのシャツは175ドル。

オックスフォード地のボタンダウン・シャツ
オックスフォード地のボタンダウン・シャツ
Source: Rowing Blazers

  カールソン氏にとって運命の日は04年に訪れた。同氏と高校のレガッタチームのメンバーは、ヘンリー・ロイヤル・レガッタ用の服を買うため、マサチューセッツ州ケンブリッジにある店に行った。カールソン氏のブレザーは紺地に白のトリムの入ったシンプルなものだった。「とてもコンサバティブだった」と同氏は振り返る。ヘンリー・ロイヤル・レガッタで目にした派手なブレザーは、カールソン少年に強い印象を残した。「アグレッシブだと思った」と話す。この時抱いた感情が事業へと発展した。

ローイング・ブレイザー
ローイング・ブレイザー
Photographer: Gabriela Herman / Bloomberg

  同氏はこの10年後、ボート選手の写真などを掲載した「ローイング・ブレザー」という大型本を出版した。この本を宣伝している時に、同氏は男性用衣料品の世界に導かれた。同氏はマンハッタンのガーメント・ディストリクトで優れた裁縫業者と出会い、事業をスタートさせた。

  事業で重要となっているのが、消費者の共感を呼ぶイメージやシンボルを使うことだ。「2本のオールがクロスしたイメージを使わないよう心がけている。それはありきたり過ぎるし、あまりにもラルフローレン的だ。もっと謎めいて深みのあることをやりたい」と述べた。同氏はリサーチ中におしゃれな古いエンブレムを発見し、その一部を148ドルのネクタイに採用した。

148ドルのネクタイ
148ドルのネクタイ
Source: Rowing Blazers

  同氏は素晴らしいスタートを切ったようだ。仮に失敗するようなことがあっても、カールソン氏はいつでも考古学を頼りにすることができる。「私が目指しているのは、博士論文を本にするなど手に届きやすい形にすることだ」と語る。500ドルのジャケットという形で、もうすでに手の届きやすいものとなっているかもしれない。

原題:This Suitmaking Startup Is Reinventing a Stylish Preppy Staple(抜粋)

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