東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円台前半で推移。トランプ米政権に対するロシア疑惑が重しとなる中、前日の米国市場で良好な経済指標を受けてドルが主要通貨に対して反発した流れを引き継ぎ、底堅く推移した。

  19日午後4時2分現在のドル・円は前日比0.2%安の111円27銭。早朝に111円60銭まで上昇した後、111円11銭まで下落した。その後は、111円台前半で推移した。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%安の1206.46。

  しんきんアセットマネジメント投信運用部の加藤純主任ファンドマネジャーは、米政権の問題は「一朝一夕に片付く話でない」としたうえで、「こういうニュースは最初に結構インパクトがあって、その後は薄れる。新しい情報が出てこなければ、ドル・円は110~112円程度で様子見になるのでないか」と語った。

  トランプ大統領は18日、フリン前大統領補佐官への捜査を中止させようと試みたことはないと述べるとともに、2016年の大統領選でのトランプ陣営とロシア側の共謀を否定した。

  東海東京調査センターの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、「トランプ大統領に対する捜査は続き、弾劾方向になって政治空白や拡張的な財政政策がとん挫すればドルは調整するだろう」としつつ、「仮に弾劾されても罷免される可能性は高くないと思う。ドル指数はすでに大統領選前の水準まで下がっており、一段と売る感じではない」と述べた。

ドルと円
ドルと円
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  前日の海外市場では、ドル・円が一時110円24銭まで下落した後、米経済指標が市場予想を上回ったことを受けて111円74銭まで反発した。5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は38.8と、市場予想(18.5)を上回った。米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)上昇の2.23%程度で終了した。

  みずほ銀行の日野景介トレーダー(ニューヨーク在勤)は、「ドル・円は110円に向けて売り込み過ぎた感も否めず、フィラデルフィア連銀製造業指数が良かったこともありいったん買い戻しの動きになったが、買い戻しは十分進んだのではないか」と指摘。「米政治を巡る混乱が続く間はドル・円は上がりきれない。ただ、6月の利上げに向けてはドルが底堅い局面はありそう」と述べた。

  米国では19日、セントルイス連銀のブラード総裁が講演する予定。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づいて推計される6月の利上げ確率は81%程度。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%高の1ユーロ=1.1127ドル前後。東海東京調査の柴田氏は、米国の政治スキャンダルに対して、フランスの大統領選がベストシナリオとなったことを背景に「このところ活発にユーロ買い・ドル売りとなっていた」と説明。ただ「すでにシカゴ先物でユーロ買いポジションに転じている」ことから、ユーロ買いは小休止との見方だ。

  米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)の先物取引非商業部門は9日時点で、ユーロが対ドルで2万2399枚の買い越しに転じた。買い越しは14年5月以来。

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