証券界に真のアイデア勝負もたらすか、アルファキャプチャー利用進む

  • 欧州新規制で金融各社はリサーチ費用を取引手数料と切り離す必要
  • リサーチの内容が良ければ、顧客は高い対価を支払う可能性

イアン・コンウェー氏はわざわざお金を払って、トレーディングに役立つ最善のアイデアをオンライン上のプラットホームに公開する。

  こうした方法でアイデアを提供する人物はコンウェー氏だけでなく、アバロン・キャピタル・マーケッツ(本社ロンドン)で働く同僚のほか、金融市場のプロの間に増えている。投資家はアイデアに見合うと考える金額を支払い、それが提供者への対価になる。

  来年1月から欧州で施行される第2次金融商品市場指令(MiFID2)の下、金融機関はマーケットリサーチの費用を顧客に請求するトレーディング手数料から区別することが求められる。両方一緒に請求していたこれまでの慣行が180度転換される中、コンウェー氏のように「アルファキャプチャー」として知られるプラットホームを活用し投資家にアイデアの価値を判断してもらうやり方が、一つのビジネスモデルとして普及しつつある。

  こうしたプラットホームを提供するTIM・グループ のコリン・バートハウド氏は「需要にかなり大きな変化が見える」ほか、「過去にトレーディングのアイデアを示すプログラムを持たなかった大手の企業が新たに参画してきている」と述べた。

  アルファキャプチャーというプラットホーム自体は10年以上前から、ブローカーのトレーディングアイデアの集計・ランク付けを行い、一部ヘッジファンドに必要不可欠な存在だったが、その利用が拡大している。調査会社タブ・グループによると、アルファキャプチャーへの投資は今年、全世界で支払われる手数料収入の約5.8%を占める。この割合は昨年は4.8%だった。市場としては最大10億ドル(約1110億円)の価値を持ち得るとバートハウド氏は試算する。

  このプラットホームに掲示するため、ブローカーは年に約5000ポンド(約72万円)を支払う。そして、掲示内容が気に入ったファンドマネジャーから支払いを受ける。人気の高いブローカーは、従来のやり方なら会うことも話すこともなかった顧客からの受け取りがあったと話す。

  このシステムで生まれる勝者は比較的小規模なブローカーだ。投資助言が優れていれば、大手でなくても顧客を獲得できる。クオンツアナリストであるコンウェー氏もここから恩恵を受けた。

  かつてはトレーディング執行の「コストについてのみで、パフォーマンスの面は問われなかった」と語るコンウェー氏は「今ではアイデアが評価され、記録される」と述べた。

原題:Brokers Giving Away Best Trade Ideas Leads to Unexpected Paydays(抜粋)

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