債券上昇、中期ゾーンの買いが相場押し上げ-超長期も堅調推移が継続

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  • 中期ゾーン、水準からいったん買いが入った可能性-みずほ証
  • 先物は6銭高の150円63銭で終了、長期金利は0.035%に低下

債券相場は上昇。前日の米国市場で株安・債券高の流れが一服したことを受けて売りが先行した後、軟調な推移が続いていた中期ゾーンの現物債などに買いが入り、相場全体が押し上げられた。

  19日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比1銭安の150円56銭で取引を開始し、いったん150円48銭まで下落。午後は水準を切り上げ、150円68銭まで上昇し、結局は6銭高の150円63銭で引けた。

  みずほ証券の山内聡史マーケットアナリストは、相場上昇について、「中短期ゾーンが持ち直した影響が大きいのではないか。足元で弱い地合いが続いて調整が進んだので、水準面からいったん買いが入った可能性が高い」と説明。もっとも、同ゾーンについては、「日銀オペ減額の要因がじわじわと影響してきている。このまま買い進まれていくかどうかは疑問だ。日銀のスタンス次第ではないか」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.04%で開始。一時0.5ベーシスポイント(bp)高い0.045%に上昇したが、その後0.035%まで下げた。新発2年物の376回債利回りは0.5bp高いマイナス0.15%を付けた後、マイナス0.165%まで買われた。新発5年物の131債利回り利回りはマイナス0.105%と2カ月ぶり高水準から、マイナス0.125%まで低下した。

  超長期債は前日に続いて堅調。新発20年物の160回債利回りは1bp低い0.555%、新発30年物の54回債利回りは1bp低い0.795%にそれぞれ低下した。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「今週実施された5年債、20年債の入札は投資家の需要に支えられていずれも無難に消化された。足元では中期国債利回りの上昇などもやや警戒されているが、現時点で日銀が大幅な利回り上昇を容認することはないだろう」と言う。

日銀買い入れオペ

  日銀がこの日実施した長期国債買い入れオペでは、残存期間「1年以下」が700億円、「10年超25年以下」が2000億円、「25年超」が1000億円と、いずれも前回と同額となった。オペ結果では「25年超」の応札倍率が4.09倍と10カ月ぶりの高水準となったが、相場への影響は限定的だった。

過去の日銀国債買い入れオペ結果はこちらをご覧下さい。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、来週の債券相場について「金利が低下しやすい環境が続く。10年債利回りはすでに低下しているので、さらに大きく下がる可能性は低い。イールドカーブがどうなるか、超長期ゾーンの方が注目だ。30年債や40年債の利回りは緩やかな低下基調が続き、今より4~5bp下がるだろう。40年債入札は問題なく通過するとみる」と述べた。

トランプ米大統領

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

リスクオフ見極め

  18日の米国債相場は小幅安。米10年債利回りは前日比1bp高い2.23%程度で引けた。朝方はトランプ米政権とロシア政府との関係を巡る疑惑に伴う、リスクオフの地合いで相場は上げていたが、フィラデルフィア連銀製造業景況指数の上昇が重しとなった。一方、米株相場は反発。一時の下げから持ち直した。S&P500種株価指数は0.4%高の2365.72で引けた。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「海外市場は欧州時間ではリスクオフだったが、米国時間でリスクオンに転換。下振れが続いていた米景気指標が久しぶりに上振れした」と説明。ただ、「米国株は一昨日の大幅下落に比べ反発幅は小さく、また一昨日堅調だった新興国や工業用金属市況は下げているので、まだ市場がリスクオンの流れに復したのかは予断を許さない」と指摘した。

  JPモルガン・アセットの塚谷氏は、「トランプ大統領のけん引力に陰りが見えてきたのに加え、米国物価も上がってこないので、米長期金利は上がりにくい。仮にこのまま円高が進んでいくと、日本国債は超長期ゾーンの金利が下がりやすくなるだろう。インフレ期待がさらに低下する上、生保などが海外に投資しにくくなって消去法的な日本国債買いが増えるとみられる」と述べた。

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