革新機構:東芝メモリ応札に余力、ルネサスエ株売却益2500億円超

更新日時

官民ファンドの産業革新機構は18日、経営支援先のルネサスエレクトロニクス株式の一部を売却すると発表した。革新機構は再建中の東芝が進めるメモリー事業の売却先候補に挙がっており、今回の売却でファンドとしての投資余力が生まれることになる。

  ルネサスエの発表によると、革新機構は発行済み普通株式の約19%(約3億1770万株)を売却、設立・出資母体であるNEC、日立製作所、三菱電機も一部を手放す。革新機構は2013年に1株120円で株式を取得。株価は出資当時から大幅に回復しており、18日終値で試算した売却益は約2567億円となる。

  関係者によると、東芝が進めているメモリー事業の売却について、革新機構は米ファンドのKKRなどと「日米連合」を組んで入札に参加することを検討している。他にも東芝の合弁先の米ウエスタンデジタル、米ブロードコム、韓国のSKハイニックス、台湾の鴻海精密工業などが買収に関心を示している。

  革新機構による今回のルネサスエ株の売却について、米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは「投資余力が出てきた」ことで、東芝メモリの買収を「連想しやすくなった」と指摘。機構の出資であれば独占禁止法などの問題も回避しやすく、市場は革新機構が参加する「日米連合が一番好ましい」と歓迎しているという。

自立に道筋

  東芝は年度内の債務超過解消に向け2兆円以上での売却を目指している。海外を含む複数の企業が買収に関心を示す中で、日本政府は情報流出の懸念などから外国企業への売却には後ろ向きで、革新機構が参加する「日米連合」の形成に動き出している。

  ルネサスエは10年に日立・三菱電の半導体部門が統合した旧ルネサステクノロジとNECエレクトロニクスが合併して誕生した。東日本大震災による工場被災などで13年3月期に1676億円の最終赤字を計上。同年9月に革新機構などが第三者割当増資に応じた。公的支援から約4年で自立へ向け道筋を付けた。

  株式売却に関する発表によると、革新機構などは今回、合計約4億315万株を海外と日本国内で売り出す。現在は革新機構が約69%、NECが8.9%、日立が7.7%、三菱電機が6.3%を保有。今回の売却は合わせて約24%分となる。この他、需要に応じて追加売り出しする可能性もある。売出価格は6月中旬に決定する。

  ルネサスの業績は革新機構などの出資後に上向き15年3月期には黒字転換、株価も上昇した。ただ、価格決定まで3週間あり、実際の売却益は株価動向により左右される。

(東芝のメモリ事業売却に関連した記事構成に書き換えました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE