18日の東京株式相場は続落。トランプ政権のロシア関連疑惑を巡り、米国の政治停滞リスクを懸念する売りが続いた。米長期金利の急低下や為替のドル安・円高加速が嫌気され、銀行や保険など金融株、電機や機械、商社株など景気敏感セクターを中心に幅広い業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比20.81ポイント(1.3%)安の1555.01、日経平均株価は261円2銭(1.3%)安の1万9553円86銭。日経平均は一時2日以来の1万9500円を割り込み、大型連休明け後の急伸分をほぼ相殺した。

  三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジストは、「トランプ政権の政策運営の不安定さは当面継続する見通し」とし、きょうは為替が1ドル=110円台まで一気にドル安・円高に振れた影響もあり、「若干リスクオフの流れが強まった」とみていた。

株価ボード
株価ボード
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  17日の米国債は安全資産への逃避需要から急伸、10年債利回りは2.22%と10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下がり、昨年7月以降で最大の低下となった。トランプ米大統領が解任前の連邦捜査局(FBI)のコミー前長官に対し、フリン大統領補佐官(当時、国家安全保障担当)を対象とした捜査中止を求めていたとの報道が米国でも嫌気された。米民主党は、トランプ氏のロシアとの癒着を調査する独立委員会の設置を目指し、署名活動を開始。大統領弾劾を目指す動きも一部で出始めている。

  また、昨年の米大統領選にロシアが影響を及ぼした疑惑を巡る問題で、米司法省は17日、FBI捜査を監督する特別検察官にロバート・ミューラー元FBI長官を指名した。

  ダウ工業株30種平均が300ドル以上下げるなど17日の米国株は急落、米投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は46%急上昇し、昨年6月以来の上昇率となった。為替市場では、ドル・円相場がきょう早朝に一時1ドル=110円50銭台と4月25日以来のドル安・円高水準を付けた。午後には111円30銭台にドルは戻したが、17日の日本株終了時112円46銭との比較では大幅な円高水準だった。

  米政治問題、経済政策停滞のリスクは前日の日本株市場で既に織り込む動きはあったものの、海外市場の反応を受けあらためて売り直され、日経平均は午前の取引で一時365円安まで下げ幅を拡大、2日から8日にかけてのチャート上の窓(1万9464円ー1万9705円)を埋めた。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、短期的に売り圧力が高まりやすいとし、目先の下値めどを「25日移動平均線や75日線が通る1万9100円台」とみている。

  一方、世界景気の拡大や良好な企業業績が相場を下支えするとの期待感は根強く、午後の取引では下げ渋った。内閣府が朝方発表した日本の1ー3月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は、年率換算で2.2%増と市場予想の1.7%増を上回った。2006年4ー6月期以来、約11年ぶりとなる5期連続のプラス成長。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、「企業業績と雇用者報酬が改善、設備投資も底堅く、昨年からの28兆円の経済対策に伴う公共投資増加もあり、景気に心配はいらない」と言う。

  東証1部33業種は保険、銀行、証券・商品先物取引、石油・石炭製品、ガラス・土石製品、機械、電機、精密機器、輸送用機器、卸売など29業種が下落。海運、食料品、陸運、電気・ガスの4業種は上昇。売買代金上位ではソフトバンクグループや三菱UFJフィナンシャル・グループ、ファナック、第一生命ホールディングス、野村ホールディングス、アルプス電気が売られ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資判断を下げたオリンパスも安い。半面、JTやブイ・テクノロジー、東京ガスは高く、SMBC日興証券が目標株価を上げたグリーも買われた。

  • 東証1部の売買高は21億8463万株、売買代金は2兆7198億円、代金は前日から9%増えた
  • 上昇銘柄数は370、下落は1574
    日米恐怖指数 
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