5月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル続落、大統領選後の上げ帳消し-政治的混乱響く

  17日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが続落。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は6営業日連続低下した。トランプ政権の政策アジェンダを巡る不透明性が広がり、ドルを圧迫した。政治的混乱を受けてニューヨーク株式市場は大幅安となり、米国債利回りも大きく下げた。

  ニューヨーク時間午後5時30分現在ではブルームバーグ・ドル・スポット指数が前日比0.5%低下。一時は昨年11月9日以来の低水準となった。ドルは対円で2%安い1ドル=110円83銭。ドルはユーロに対し0.7%低下し1ユーロ=1.1159ドル。

  安全逃避需要の高まりで米10年債の利回りが10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下したこともドル安を加速させた。ロンドン在勤のトレーダーは、ドルの下落は短期筋の動きによるもので、長期投資家はドルの下値を追うことにやや消極的だと指摘した。米利上げ期待とリスク志向の高まりがキャリートレードの追い風となる中でドルは先週、114円30銭近辺まで上値を伸ばしていたが、この日の円は11月9日以来の大幅高となる勢い。円はこのほか、カナダ・ドルやオーストラリア・ドルに対して特に上昇した。

  ユーロはドルに対し続伸。一時は11月9月以来の高値となる1.1158ドルまで値上がりし、今週の上昇率を約2%に伸ばした。ユーロ圏の経済指標がこのところ改善されていることを踏まえ、欧州中央銀行(ECB)が早ければ6月にも金融政策の変更を示唆するとの観測がトレーダーの間で高まっていることが背景にある。市場では18日に予定されている数多くのECB当局者による講演が注目されそうだ。

  一方、翌日物指数スワップに基づく6月の米利上げの確率は60%未満に急低下した。

  バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は17日、米経済は緩やかな成長が続くとの見通しを示した一方、失業率が「これ以上低くならない水準に近い」ことから、その成長ペースを加速させる余地は限定的だとの認識を示した。
原題:Dollar Extends Drop as Post-Election Gains Erased Amid Turmoil(抜粋)
原題:Bernanke Says Economy Nearing Capacity With Jobless Rate Low(抜粋)

◎米国株:急落、ダウ平均370ドル安-トランプ政権の不透明感で

  17日の米国株は急落。ダウ工業株30種平均の下げは370ドルを超えた。トランプ米政権を巡る問題が世界の金融市場を動揺させる中、投資家の間では6月の米利上げ見通しを再考する動きが広がった。

  S&P500種株価指数は1.8%安の2357.03。ダウ工業株30種平均は372.82ドル(1.8%)下げて20606.93ドル。ナスダック総合指数は2.6%下げた。この日、ボラティリティ指数は46%急伸した。

  エバーコアISIのポートフォリオ戦略責任者デニス・ディバッシャー氏は「政治的な不透明感は相当期間続く可能性が高い」という不安感が終日、市場を覆っていたと述べた。

  S&P500種の業種別11指数では不動産、公益事業のみが上昇した。10年債利回りの大幅低下が好材料となった。金融は3%下落。資本財・サービスは2.1%、情報技術は2.8%下げた。

  個別ではコルゲート・パルモリブ、アメリカン・タワーが上昇。ウォルグリーン・ブーツ、コメリカが下落。出来高を集めたのはターゲット、エレクトロニック・アーツなど。
  トランプ大統領は解任前のコミー連邦捜査局(FBI)長官に対し、フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)を対象とした捜査の中止を求めていた。コミー氏が大統領執務室でトランプ氏と話した後に内容をメモに記録。この写しを受け取った関係者1人が16日明らかにした。

  現在の実効フェデラルファンド(FF)金利ならびに翌日物指数スワップレートに基づくと6月の利上げ確率は約62%と、1週間前の80%から低下した。
原題:U.S. Stocks Tumble as FBI Memo Calls Trump Agenda Into Question(抜粋)
Dow Falls 370 Points, Bonds Rally on Trump Turmoil: Markets Wrap(抜粋)
Fed’s Rate-Hike Odds Tumble as Washington Chaos Hits Bonds (1)(抜粋)
MARKET UPDATE: U.S. Stocks Post Worst Day Since September(抜粋)

◎米国債:急伸、逃避需要で買い-トランプ大統領巡る報道が影響

  17日の米国債相場は急伸。午後に入り上げ幅を拡大する展開となった。10年債利回りは大きく低下。トランプ大統領がコミー連邦捜査局(FBI)長官解任の前に、同氏に対してフリン大統領補佐官(国家安全保障担当)を対象とした捜査の中止を求めていたとの報道が影響した。

  10年債利回りは昨年7月以降で最大の低下となり、2.20%に接近した。10年債と2年債の利回り差は縮小し、イールドカーブはフラット化した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.22%。2年債利回りは5bp下げて1.25%。

  エバーコアISIのポートフォリオ戦略責任者、デニス・ディバッシャー氏は「終日見られたのは政治面の不透明感で、これはかなり長期間続く可能性が高い」と分析した。

  オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づいて推計される6月の利上げ確率は60%程度。利上げが100%織り込まれる時期は11月となり、これまでの9月からシフトした。
原題:Treasuries Surge on Haven Demand as June Fed Hike Odds Tumble(抜粋)
原題:Dow Falls 370 Points, Bonds Rally on Trump Turmoil: Markets Wrap(抜粋)

◎NY金:続伸、トランプ大統領は「最も厳しい局面」迎えているとの声

  17日のニューヨーク金先物相場は6営業日続伸。昨年8月以降で最長の連続高となった。金スポットは5日続伸。トランプ米大統領が今年2月、当時のコミー連邦捜査局(FBI)長官に対し、フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)を対象とした捜査の中止を求めていたとする報道が背景。この日はドルが下落した。

  シンク・マーケッツUKのチーフマーケットアナリスト、ナイーム・アスラム氏は、トランプ大統領は「就任以来、最も厳しい局面を迎えている」と指摘。投資家らは「弾劾が現実のものになる可能性」があるのかどうか考えているとし、「実際にそうなれば、信認が大きく崩れるためだ」と述べた。

  ブルームバーグのデータによると、金スポット相場は一時1.9%高の1260.38ドルと、2週間ぶり高値をつけた。ニューヨーク時間午後1時56分までには1259.20ドル。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日比1.8%上昇の1オンス=1258.70ドルで終了。

  銀スポットは3月以降で最長の6営業日続伸。パラジウムスポットは3日続落。プラチナスポットは2月以降で最長の6日続伸。
原題:Gold Rallies as Trump’s ‘Toughest Time’ in Office Batters Dollar(抜粋)

◎NY原油:反発、米在庫減を好感-OPEC減産効果に期待

  17日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反発。米国の原油在庫が6週連続で減少し、石油輸出国機構(OPEC)主導の減産が世界最大の石油消費国に影響し始めた兆候と市場は受け止めた。

  マニュライフ・アセット・マネジメント(トロント)のファンドマネジャー、クレイグ・ベシューン氏は電話取材に対し、「OPECにはまだやるべきことがある」と話す。「OPECは減産が最終的に在庫減少につながるよう望んでいる。今回の数字には緩やかなペースで進展が続いていることが示された」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日比41セント(0.84%)高い1バレル=49.07ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント7月限は56セント(1.1%)上昇の52.21ドル。
原題:Oil Climbs as U.S. Supply Decline Signals OPEC’s Making Progress(抜粋)

◎欧州株:8カ月ぶり大幅下落、銀行安い-トランプ米大統領巡る懸念で

  17日の欧州株式相場は、指標のストックス欧州600指数が昨年9月以来の大幅安となった。トランプ米大統領を巡る政治危機の深刻化が影響を及ぼした。

  ストックス欧州600指数は前日比1.2%安の391.14と、2週間ぶり安値で終了した。世界的な景気拡大と米政府の歳出増加に対する期待を背景に、米大統領選直前に当たる昨年11月4日に付けた安値から16日までに同指数は最大21%上昇。今月に入ってからは1年9カ月ぶり高値の更新を続けていた。

  トランプ大統領に解任されたコミー連邦捜査局(FBI)前長官が在任中に記したとされる大統領との会話内容に関するメモが報じられ、リスク回避の動きから株が売られた。

  ストックス600指数の業種別指数では、トランプ氏が大統領選に勝利して以来買われていた銀行株がこの日は2番目に大きな下げを演じ、2%安となった。

  アクセンド・マーケッツのアナリスト、マイク・ファンデュルケン、ヘンリー・クロフト両氏はリポートで「リスク意欲が打撃を受けた」とし、「ホワイトハウスを巡る物議と混乱がさらに悪化した」と指摘した。
原題:Europe Stocks Drop Most in Eight Months as Trump Concern Deepens(抜粋)

◎欧州債:中核国債が大幅上昇-リスクオフに伴う円高・株安で

  17日の欧州債市場では中核国の国債が大幅上昇。トランプ米大統領を取り巻く政治混乱が深刻化し、全般的にリスクオフの取引が優勢となった。

  中核国債の利回りは長期債を中心に幅広く低下。円高と銀行株を主体とする株安でスワップスプレッドが拡大した。

  このところ上昇を続けるポルトガル国債は大きく上げ、10年債利回りは最大10bp下げた。銀行業界を巡る危機や格下げ懸念が後退し、力強いファンダメンタルズが相場上昇を後押ししている。
原題:Bunds Tear as Risk-Off Shreds Stocks; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

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