17日の東京株式相場は反落。米国住宅統計の弱さや為替のドル安・円高進行、司法妨害の可能性などトランプ米政権の不安定化を懸念する売りに押された。石油や商社など資源株や海運株、鉄鋼など素材株と景気敏感セクターが下げ、米長期金利の低下で銀行や保険など金融株も安い。

  TOPIXの終値は前日比8.41ポイント(0.5%)安の1575.82、日経平均株価は104円94銭(0.5%)安の1万9814円88銭。

  アイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャーは、「日経平均2万円の上抜けに何度かトライしたにもかかわらず、突破できずに上値の重さが意識されていたところに『トランプ・スキャンダル』という悪材料が一つ重なった」と指摘。議会運営を含め、「米政策の先行き不透明感が強まっている点がネガティブ」との見方を示した。

東証

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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  匿名の関係者1人によると、トランプ米大統領はことし2月、先に解任した連邦捜査局(FBI)のコミー長官に対しフリン大統領補佐官(当時、国家安全保障担当)を対象とした捜査の中止を求めた。これは、弾劾訴追に値する司法妨害を大統領が行った可能性を示すものだ。

  トランプ大統領のロシア関連疑惑に対する懸念が市場であらためて広がる中、「コミー氏を含め誰に対しても捜査中止を求めたことは全くなく、フリン氏関連の捜査についてもそうだ」と同大統領は反論した。

  このほか、米商務省が16日に発表した4月の住宅着工件数は年率換算で117万2000戸と前月から2.6%減少、昨年11月以来の低水準となった。市場予想は126万戸で、2カ月連続のマイナス。先行指標である住宅着工許可件数も前月比2.5%減の123万件。16日の米10年債利回りは2.33%と2ベーシスポイト(bp、1bp=0.01%)低下し、米S&P500種株価指数は0.1%安と反落、ニューヨーク原油先物も0.4%安と前日の海外市場では投資家のリスク回避姿勢が強まった。

  為替は、ブルームバーグのドルスポット指数が昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利する以前の水準まで低下。きょうのドル・円は一時1ドル=112円30銭台と、16日の日本株終了時113円50銭から1円以上ドル安・円高に振れた。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは円高について、「住宅指標の下振れで米景気の先行き不安が出ていたところに、トランプ米政権の政治リスクが懸念され、減税なしで米ファンダメンタルズが持つのかとの不安心理が出てきた」とみている。目先の日経平均の下値めどとしては、予想PER14倍の1万9500円を挙げた。

  この日の日本株は売りが先行で始まり、日経平均は朝方に一時155円安の1万9764円まで売られた。その後は企業業績への根強い信頼感などから下げ渋り、午後は1万9800円付近でもみ合い。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、決算発表が一巡した現在、「ネガティブな要因はほとんどなく、相場はいったんこう着が基本観」と指摘。当面日経平均は2万円を手前に日柄調整を進め、エネルギーをためる局面との認識を示した。

  東証1部33業種は石油・石炭製品や海運、保険、証券・商品先物取引、鉱業、卸売、銀行、非鉄金属、鉄鋼など29業種が下落。食料品や電気・ガス、その他製品、建設の4業種は上昇。売買代金上位ではみずほフィナンシャルグループ、第一生命ホールディングス、三井物産、野村ホールディングス、三菱電機が下落。半面、任天堂や東京エレクトロン、武田薬品工業は上げ、2018年3月期の営業利益計画が市場予想を上回った住友化学も高い。

  個別ではワタベウェディングや帝国ホテルなど婚礼関連銘柄の一角が上昇。共同通信などによると、秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さまが大学時代の同級生、小室圭さんと婚約されることになり、ウエディング市場の活性化を見込む買いが入った。

  • 東証1部の売買高は19億6447万株、売買代金は2兆4928億円
  • 上昇銘柄数は630、下落は1287
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