GDPとインフレ率の計測ツールに不備-米経済統計で当局者が論文

  • インフレ率は過大評価、経済成長率は過小評価と指摘
  • 論文に基づけば米金融当局のインフレ目標は低過ぎる可能性も

米労働省労働統計局(BLS)と商務省経済分析局(BEA)の幹部らは、現在の計測ツールの下では経済成長率が実体よりもやや低め、インフレ率の一部の要素は多少高めの評価となるとの分析結果を示した。ただ、これは近年の景気拡大ペースの低調な伸びを説明するものではないと警告している。

  「物価指数の計測上の不備が実質成長率の過小評価にずっとつながってきているとの点で、労働統計局と経済分析局は認識を共有する」と、両局の現職・元職の当局者5人が共同で執筆した論文で指摘した。同論文は3日に公表された米経済学会(AEA)の「ジャーナル・オブ・エコノミック・パースペクティブズ」に掲載され、BEAの諮問委員会の先週の会合で紹介された。

  論文によれば、国内総生産(GDP)のうち個人消費を見ると、価格指数は2000年の段階で実際より0.2ポイント高めの評価となり、15年には0.26ポイントにこの格差が広がった可能性があるという。インフレ率が過大評価されれば、実質GDPはその分、過小評価となる。

  コンピューターの質的変化やソフトウエア投資を巡る計測上の不備を一部加味して推計すれば、総合的には00年、05年、10年、15年のGDPは約0.4ポイント過小評価されていたことになるという。執筆者らは、計測上の問題は「決して新しいものとはいえず」、今回の分析で示された規模やタイミングが「近年の成長鈍化のパターン」の説明になる公算は小さいとしている。

  ただ、インフレ率の過大評価は連邦準備制度には金融政策面の重要な疑問を提起する。当局者も2%のインフレ目標が低過ぎるかどうか自問しているためだ。

  今年1月までの4年間、BLS局長を務め、論文執筆者に名を連ねた元ニューヨーク連銀エコノミストのエリカ・グロッシェン氏は15日のインタビューで、最適なインフレ率をどの数字とすべきかを結論付けるのは困難だとコメント。その上で、「人々の想定よりも大きな計測上の問題があるなら、目標を引き上げたり、その前後に一段と大きな許容バンドを設定したりする論拠となるかもしれない」と語った。

原題:U.S. Stats Officials Say Measurements of GDP, Inflation Are Off(抜粋)

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