ドルは113円前半に下落、トランプ大統領報道重し-ユーロ1.1ドル乗せ

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  • ドル・円はじりじりと値を下げる展開、一時113円25銭まで下落
  • 米政権の問題大きくなればリスク回避でドル売りに-しんきんAM

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=113円台前半に下落。前日の米国市場で軟調な経済指標を受けてドルが主要通貨に対して下落した流れを引き継いだほか、トランプ大統領が機密情報をロシア側に明かしたとの米紙ワシントン・ポスト報道を受けてドル売り・円買いが優勢となった。

  16日午後4時1分現在のドル・円は前日比0.4%安の113円30銭。朝方に付けた113円80銭から徐々に水準を切り下げ、一時113円25銭まで下落した。

  しんきんアセットマネジメント投信運用部の加藤純主任ファンドマネジャーは、トランプ大統領の機密情報漏えい報道やコミー前連邦捜査局(FBI)長官解任問題などを挙げ、「話が大きくなったら税制改革は進まない」と指摘。米政権を揺るがす事態になればリスク回避要因でドル売りになるとした上で、目先は「113円前半が切れるかどうかで相場が走るか決まる」と語った。

  米紙ワシントン・ポストは15日、匿名の当局者を引用し、トランプ大統領が過激派組織イスラム国(IS)に関する機密情報をロシアのラブロフ外相に明かしたと報じた。一方、ティラーソン国務長官はトランプ大統領とラブロフ外相との会談について、「やり取りの中で、具体的な脅威の質が議論されたが、取材源や手法、軍の活動は議論されなかった」と述べた。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、ワシントン・ポスト紙報道について、「FBI長官解任のテープ問題もあり、今後の展開や議会運営に影響を与えないか注視が必要」と話した。

  15日の米国市場では、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数の低下などを受けて、ドル・円は一時113円26銭まで下げた。

  米景気の先行き不安が継続するなか、16日の米国では4月の住宅着工や鉱工業生産が発表される。ブルームバーグ調査によると、住宅着工件数は前月比3.7%増(3月は同6.8%減)、鉱工業生産は前月比0.4%上昇(3月は同0.5%上昇)が見込まれている。CIBC証券金融商品部の春木康部長は「経済の良好な基調が確認されれば、金利上昇、ドル・円上昇の流れになるのではないか」とみている。

  豪ドルは対米ドルで小幅高。同時刻現在、0.1%高の1豪ドル=0.7423米ドル。前日には一時0.7446米ドルと3日以来の豪ドル高・米ドル安水準を付けていた。ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、「ドルが弱いので新興国・資源国通貨が買われている」と指摘。ただ、オーストラリア準備銀行(中央銀行)は「無難な低金利政策を慎重に続けていくとみており、0.77米ドルを超えての上昇は容認しないのではないか」とも語り、豪ドルに下落余地があるとの見方を示した。

  豪中銀が発表した5月会合の議事録要旨では「引き続き労働、住宅両市場の動向に対する注意深い監視が必要。現行の緩和的姿勢を維持することは持続的な成長とインフレ目標を将来的に達成することに整合的」との見解が示された。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.4%高の1ユーロ=1.1017ドル。一時1.1018ドルと8日以来となる1.1ドル台に乗せた。16日には5月のドイツZEW景況感指数などが発表される。ブルームバーグ調査によると、現状指数は82、期待指数は22へ上昇する見込み。4月は現状指数が80.1、期待指数が19.5だった。

  しんきんアセットの加藤氏は、欧州中央銀行(ECB)は「早晩、資産買い入れを減らして緩和終了になるだろう。ユーロは今後徐々に強くなると思う」と話した。

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