日本株は3日ぶり反発、NTTなど通信や食料品高い-2万円届かず

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  • 米国株最高値や原油市況の上昇が心理面でプラス、PER割安も
  • 金融や不動産株は軟調、騰落レシオなど過熱感も重し

16日の東京株式相場は3営業日ぶりに反発。最高値を更新した米国株に対する割安感、原油市況の上昇などをきっかけに投資家の間で見直し買いの動きが広がり、今期は増益・増配を計画したNTTなど情報・通信株、1ー3月期決算内容が好感されたアサヒグループホールディングスなど食料品株が高い。

  一方、銀行や保険など金融株、不動産株など金利敏感セクターは下げ、鉱業や小売株も軟調。日経平均株価は一時およそ1年5カ月ぶりとなる2万円回復が目前に迫ったが、その後は失速、大台には届かなかった。騰落レシオなどテクニカル指標からみた過熱感の強さも重し。

  TOPIXの終値は前日比4.23ポイント(0.3%)高の1584.23、日経平均株価は49円97銭(0.3%)高の1万9919円82銭。

  ちばぎんアセットマネジメントの加藤浩史シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、国内企業の「2018年3月期は10%弱の最終増益が描ける。海外株に比べ日本株には出遅れ感がある」と指摘。ただし、時価総額ウエートの大きい自動車と銀行の2セクターの業績が思わしくなく、「なかなか日経平均は2万円を抜けられない」とも話した。

東証

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  15日のニューヨーク原油先物は2.1%高の1バレル=48.85ドルと大幅高し、約2週間ぶりの高値で引けた。サウジアラビアとロシアが減産合意の9カ月延長を支持、世界的にリスク選好姿勢が強まった。ロンドン金属取引所(LME)の銅や鉛価格も上昇。

  同日の米国株はエネルギーや素材株中心に買われ、S&P500種株価指数が0.5%高の2402.32と史上最高値を更新した。米10年債利回りは2.34%と、前日から2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。

  前日の海外動向、為替の落ち着きが好感されたこの日の日本株は買い先行で始まり、日経平均は朝方に一時128円高の1万9998円49銭と心理的節目の2万円にあと1円50銭ほどと迫った。いちよし証券の大塚俊一投資情報部長によると、15日までに決算発表を行った東証1・2部上場企業(金融除く)の18年3月期純利益見通しは前期比9%増。15日時点の日経平均の予想PERが14.94倍となったことは、「業績好調がまだ織り込まれていない」ためとみる。予想PERが15倍を割れたのは、昨年11月以来。

  ただ、その後上昇の勢いは鈍り、前引け間際には日経平均は一時マイナス転換。午後は1万9900円を挟み小動きとなった。東証1部の騰落レシオがことし最高水準の132%に位置するなど相場の短期過熱に対する警戒が根強い上、SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、さえない米経済統計に懸念を示す。15日に発表されたニューヨーク連銀の5月の製造業景況指数はマイナス1と、市場予想のプラス7.5から下振れた。「直近の指標は軟調な内容が多く、前週末に落ち込んだ米期待インフレ率は十分回復しておらず、米国株の地合いはあまり良くない」と指摘、米経済の先行きに対する信頼感も「いまひとつ」と言う。

  きょうのドル・円相場は早朝に1ドル=113円80銭を付けたが、その後同40銭台まで円が強含んだ。15日の日本株終了時は113円38銭。

  東証1部33業種はパルプ・紙や石油・石炭製品、食料品、倉庫・運輸、情報・通信、精密機器、空運、卸売、輸送用機器など22業種が上昇。鉱業や不動産、保険、その他金融、銀行、小売、非鉄金属、証券・商品先物取引など11業種は下落。

  売買代金上位では、みずほ証券が想定を上回る2018年3月期利益計画はポジティブと評価したブイ・テクノロジーが大幅高。NTTや1-3月期事業利益が2割増えたアサヒGHが買われ、世界的なサイバー攻撃の影響からネットセキュリティ関連のトレンドマイクロも高い。半面、15日午後に発表した暫定決算で、債務超過5400億円と判明した東芝が大幅安。前日ストップ高の野村不動産ホールディングスは反落、SMCやT&Dホールディングスも安い。

  • 東証1部の売買高は21億7425万株、売買代金は2兆6603億円
  • 上昇銘柄数は1130、下落は767
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