日本株は小幅続落、米消費と北朝鮮リスク-素材や資源、銀行売られる

更新日時
  • 4月の米小売売上高は前月比0.4%増、市場予想に届かず
  • 不動産株や好業績銘柄支え、日本郵政は野村不HDの買収検討

15日の東京株式相場は小幅に続落。米国消費統計の伸び悩みや北朝鮮をめぐる地政学リスクが嫌気され、鉄鋼や繊維など素材株、鉱業や石油など資源株、米長期金利の低下を受けた銀行株が安い。

  半面、業界再編観測の高まりで不動産株が終日強い動きを見せ、2018年3月期の営業利益計画が市場予想を上回った日立製作所日本水産、1ー3月期営業利益が増益の資生堂が大幅高となるなど好業績銘柄には買いが入り、株価指数を下支えした。

  TOPIXの終値は前週末比0.71ポイント(0.04%)安の1580、日経平均株価は14円5銭(0.1%)安の1万9869円85銭。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、米消費者物価指数の弱さは、原油価格の影響消失を踏まえると予見されていたとし、「米景気は終盤戦との認識に変わりはない」と指摘。相変わらず為替次第の展開が続き、「きょうは1ドル=113円台まで円が強含み、上昇の勢いを弱まらせた」とみていた。

東証

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米商務省が12日に発表した4月の小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想の0.6%増を下回った。米労働省による4月の消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除くコアCPIが前年同月比1.9%上昇と2015年10月以来、1年半ぶりに伸び率が2%を割り込んだ。

  12日の米10年債利回りは2.33%と前日から6ベーシスポイト(bp、1bp=0.01%)低下。米国株は、百貨店ノードストロームの決算などが嫌気され、S&P500種株価指数が0.2%安と続落した。

  北朝鮮をめぐる地政学リスクも相場の重しだった。北朝鮮は14日早朝、弾道ミサイル1発を発射。共同通信によると、稲田朋美防衛相はミサイルの高度は2000キロ超と推定され、新型の可能性があると記者団に語った。日本アジア証券の清水三津雄エクイティ・ストラテジストは、「北朝鮮を中国もコントロールできなくなっているようだ」と言う。このほか、ランサムウエアによる世界的規模のサイバー攻撃の被害拡大も投資家心理を冷やした一因、と受け止める向きもあった。

  週明けの日本株は売り先行で始まり、開始直後に日経平均は一時143円安まで下げ幅を拡大。その後は円高の勢いが鈍るとともに下げ渋った。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「日本の企業業績は堅調、今後の米経済統計で景気拡大を確認すれば、リスクオンは復調する」と予測。12日までに決算を発表した日経平均採用銘柄の今期想定為替レートの平均は1ドル=109円8銭で、「現状より4円以上のりしろが付いており、理論上はEPSの3.6%上乗せが可能」との認識を示した。EPS理論値の1363円とリーマンショック後の予想PERの平均14.9倍で算出した日経平均の妥当値は2万314円、としている。

  きょうのドル・円相場は、早朝の1ドル=113円10銭台から午前半ばにかけ同40銭台まで徐々に円が軟化。午後は113円30ー40銭台でもみ合った。前週末12日の日本株終了時は113円77銭だった。

  東証1部33業種は鉄鋼や鉱業、石油・石炭製品、繊維、機械、銀行、ガラス・土石製品、海運、非鉄金属など18業種が下落。不動産や水産・農林、建設、パルプ・紙、サービス、その他製品、食料品、医薬品など15業種は上昇。上昇率トップの不動産は、日本郵政が野村不動産ホールディングスの買収を検討していることが分かり、解散価値から不動産株は割安とみる買いが入った。

  売買代金上位ではソフトバンクグループ、三菱ケミカルホールディングス、りそなホールディングス、JXTGホールディングス、いすゞ自動車、新日鉄住金、国際石油開発帝石、東ソーが安い。半面、東芝やディー・エヌ・エー、スズキ、三井不動産、ヤマハ発動機が高く、ゴールドマン・サックス証券が強気判断を再強調したリクルートホールディングス、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資判断を上げた資生堂も買われた。野村不HDはストップ高。

  • 東証1部の売買高は21億5577万株、売買代金は2兆6519億円
  • 上昇銘柄数は854、下落は1057。

    ドル・円と日経平均株価の推移

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