5月12日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル指数低下、米CPIや小売売上高が予想以下

  12日のニューヨーク外国為替市場で主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数が3日続落。4月の米小売売上高や消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回った。ドル指数は週間ベースでは先月初め以来のプラスとなった。

  ブルームバーグ・ドル・スポット指数はテクニカル指標の節目となる200日移動平均を割り込んだ。ドルは主要10通貨の大半に対して下落、特に対スイス・フランで下は一時0.9%下落と、3週ぶりの大幅安を記録する場面もあった。
  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.4%下げて1ドル=113円38銭。対ユーロでは0.6%上昇して1ユーロ=1.0931ドルだった。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%低下した。

  CPI統計発表後に市場で6月の米利上げ観測が後退すると米国債利回りが低下し、ドルが影響を受けた。公に話す権限がないとして匿名を条件に述べたロンドンのトレーダーによると、113円50銭でストップロスの売りが誘われた。

  市場予想を下回った経済統計を受けて市場参加者は金融政策当局者の発言に注目した。シカゴ連銀のエバンス総裁はインフレの下振れリスクが引き続き政策金利の見通しを曇らせているとの認識を示した。またフィラデルフィア連銀のハーカー総裁は米労働市場に「スラックはほとんど残っていない」と述べた。市場では引き続き6月利上げの見方が強い。
原題:Dollar Declines After CPI and Retail Sales Data Disappointment(抜粋)

◎米国株:S&P500種、この1カ月で初の続落-景気を懸念

  12日の米株式相場は下落。S&P500種株価指数は1カ月ぶりに続落した。小売売上高やインフレのデータが低調だったことを受け、予想していたほどには経済成長は加速しないとの懸念が強まった。S&P500種は週間ベースでは4週ぶりの下落。

  個別銘柄では百貨店のノードストロムが急落。決算で利益が市場予想を下回ったことが嫌気された。

  S&P500種株価指数は前日比0.2%安の2390.90。週間では0.4%の下げとなった。ダウ工業株30種平均はこの日22.81ドル(0.1%)下げて20896.61ドル。

  S&P500種の業種別11指数では、米国債利回りの低下を受け金融が安い。最も上げたのは公益事業だった。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は1.9%低下の10.40。4日ぶりの低下となった。

  ノードストロムは11%下落。第1四半期決算では利益が市場予想に届かなかった。ノードストロム以外でも百貨店は業績が低調となっている。

  ゼネラル・エレクトリック(GE)は2.1%下落。ドイツ銀行が投資判断を「売り」に引き下げた。
原題:U.S. Stocks Fall as S&P 500 Heads for First Weekly Loss in Four(抜粋)
原題:Dollar, Stocks Slip as Treasuries Rise Amid Data: Markets Wrap(抜粋)
原題:S&P 500 Has First Back-to-Back Decline in One Month; GE Slides(抜粋)

◎米国債:続伸、6月利上げ観測後退-経済統計が予想下回る

  12日の米国債相場は大幅続伸。4月の食品とエネルギーを除くコア消費者物価指数(CPI)と小売売上高の伸びが市場予想に届かなかったことを手掛かりに買いが入った。午後も上昇を維持し、この日の高値圏で引けた。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.33%。

  4月のコアCPI上昇率と小売売上高の伸びがエコノミスト予想を下回った。これを受け、市場に織り込まれる6月の25bp利上げの確率は、朝方の78%から67%に低下。フェデラルファンド(FF)金利先物7月限の出来高は記録的水準に増えた。
  軟調な4月のCPI統計を受け、インフレ連動国債(TIPS)と普通国債の利回り差(ブレークイーブンレート)でみたインフレ期待値は約0.04ポイント下げ、年初来最大の低下となった。この日発表された5月のミシガン大学消費者マインド調査で向こう5-10年間のインフレ期待値が2.3%と、1979年の統計開始以来最低水準に並んだことも、インフレ期待後退の兆候だとの見方を強めた。

  金融当局者のインフレ関連発言では、シカゴ連銀のエバンス総裁がダブリンで開かれた会議で「現時点では、下振れリスクが依然優勢だ」と話した。
原題:USTs Gain After CPI, Retail Sales as June Fed Hike Odds Fall(抜粋)
原題:Bond Traders’ Inflation Bets Slammed Most This Year on Data Miss(抜粋)

◎NY金:3日続伸、米小売売上高とCPIが予想下回る

  12日のニューヨーク金先物相場は続伸。週間ベースでもプラス圏で引けた。先週までは米金利上昇見通しに圧迫され、2週連続で下げていた。

  TDセキュリティーズの商品戦略責任者バート・メレク氏(トロント在勤)は電話インタビューで、「米インフレ統計の数値があまり上がっていないことがかなり影響している。小売売上高も予想よりやや弱かった」と指摘。「米金融当局にとっては緩和解除に積極的に動く動機が弱くなったことを示唆する。それが金を押し上げた」と説明した。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日比0.3%高い1オンス=1227.70ドルで終了。週間ベースでは0.1%上げた。銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナは下落、パラジウムは値上がりした。
原題:Gold Rises for 3rd Day as U.S. Retail Sales, CPI Trail Estimates(抜粋)

◎NY原油:ほぼ変わらず、OPEC非加盟国の増産観測で失速

  12日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物がほぼ変わらず。石油輸出国機構(OPEC)加盟国以外の生産拡大観測が広がり、最近の上昇は勢いを失った。

  OPECの最新の報告によると、非加盟産油国による生産は今年64%増加する見通しだ。米国のシェール生産者やブラジルなどが生産を拡大していることが背景にある。

  IAFアドバイザーズ(ヒューストン)の調査ディレクター、カイル・クーパー氏は電話インタビューで、「今週、価格はかなり上昇したが、その勢いが止まったようだ」と発言。「OPEC非加盟国からの供給増やOPECが今月、減産を延長するのかどうかを巡って懸念がある。米国の生産が増加しているため、OPECは減産を延長せざるを得ないだろう」と話した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日比1セント高い1バレル=47.84ドルで終了した。ロンドンICEの北海ブレント7月限は7セント上げて50.84ドル。
原題:Oil Rally Fizzles as Focus Shifts to Output OPEC Can’t Control(抜粋)

◎欧州株:反発、製薬など上昇-投資家は上値追いの材料を模索

  12日の欧州株式相場は反発。指標のストックス欧州600指数は前日に4月半ば以来の大幅安を記録していた。フランスの大統領選が終わり政治リスクが後退した後、投資家は上値追いの材料を探している。

  ストックス欧州600指数は前日比0.3%高の395.63で終了。週間では3週続伸となった。

  CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏は「政治リスクは後退したが、投資家は経済指標の数字に前向きな改善が見られないままで一段の上昇が持続可能だと確信するには程遠い状態のようだ」とリポートに記した。

  この日の業種別では、ヘルスケアの上昇率が2位。英製薬会社のアストラゼネカが9%高で上げを主導した。同社は自社の肺がん治療薬が患者の死亡や病状悪化リスクを大幅に低下させたと発表した。

  一方、鉱業株は1.4%安で4営業日ぶりに下落。鉱業株は2月の高値から約13%下落した。
原題:Europe Stocks Rise as Traders Assess Growth Post French Election(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が上昇、米国債に連れ高

  12日の欧州債市場では、期間が長目のユーロ圏国債が引けにかけて上昇。ECBが超緩和的な政策からの脱却を市場に準備させることを7月に開始するとシュピーゲル誌が報道し、一時は下げていた。
  ドイツ国債は上昇。指標のハト派的な側面を受けて上昇した米国債に追随した。
原題:Bunds Extend Gains as USTs Rally; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE