【日本株週間展望】一進一退、堅調な業績や日米景気支え-過熱感重し

  • 日経平均予想EPSは一時1300円台、国内企業の収益力高まる
  • 騰落レシオなど一部指標には過熱感も、積極的に買う材料乏しい

5月3週(15-19日)の日本株は一進一退の動きがが予想される。堅調な企業業績や日米景気から下値不安は小さいものの、短期急上昇による相場の過熱感や相対的な割安感の薄れから、積極的に買う手掛かりも乏しい。

  国内企業の収益力が高まりは投資家に安心感を与える。日経平均株価の予想1株利益(EPS)は10日に1303円と、初めて1300円台に乗せた。大和証券によると、金融を除く主要200社の2018年3月期計画は10日時点で4%の経常増益。為替前提の影響で自動車は2桁減益の見通しだが、減益は25業種中4業種にとどまるという。3月期決算発表のピークが過ぎる中、第3週は15日に三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガバンクや第一生命ホールディングス、19日に東京海上ホールディングスなど大手損保が決算を発表する。
  
  日米の経済指標では堅調なファンダメンタルズが確認できそう。ブルームバーグの調査によると、18日に発表される1-3月の国内総生産(GDP)速報値は前期比年率1.8%増と、16年10―12月の1.2%増から伸びが加速する見通し。米国では16日に4月の住宅着工件数と鉱工業生産指数が発表され、住宅着工件数は前の月の6.8%減から2.9%増へプラス転換が見込まれている。フランス大統領選が波乱なく通過し、北朝鮮など地政学リスクへの過度な懸念が薄れる中、米国株投資家の恐怖心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は1993年以来の低水準近辺で推移しており、投資家のリスク許容度は増している。

東証

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  もっとも、日経平均は4月14日の直近安値(1万8335円)から1500円(8%)余り上昇。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオなど一部テクニカル指標は過熱感を示唆している。東海東京調査センターの長田清英シニアグローバルストラテジストは、日本株は「短期間で上がり過ぎた」と指摘。外国人投資家は日本株現物を5月1週まで5週連続で買い越し、戻り相場をけん引したが、「政治の不透明感の薄れる中、海外勢は日本株よりバリュエーション面で割安感のある欧州株に向かいやすい」とみる。企業の決算発表が一巡して手掛かりが乏しくなることも、上値を抑える要因となりそう。第2週の日経平均は週間で2.3%高の1万9883円90銭と4週連続で上昇、11日には年初来高値を更新し2015年12月以来の高値を付けた。

<<市場関係者の見方>>
アセットマネジメントOneの荻原健チーフストラテジスト
  「日経平均は為替次第で2万円を付けてもおかしくないが、業績はかなり織り込まれてきており、どんどん上がっていくという感じはない。米国株に比べて日本株のバリュエーションはそれほど高くないものの、グローバル比較で日本株を積極的に買う材料も見当たらない。注目される住宅着工件数や鉱工業生産など米経済指標で、1-3月の景気鈍化が一時的であったことを確認できれば、株価の支えになるだろう。VIX指数の動きから、市場はゴルディロックス的な相場が続くことを予想している」

りそな銀行アセットマネジメント部の下出衛チーフストラテジスト
  「底堅く推移するだろう。米国や中国の経済統計で世界的に景気が悪化していないと確認すれば、安心感が広がりやすい。注目は米鉱工業生産やフィラデルフィア連銀の製造業景況指数など製造業関連の統計。1-3月期の米生産活動は落ち込んだが、4月はそれほど悪化しないと市場はみている。堅調さを確認し、米国の6月利上げの確信度が高まれば、長期金利が上がり、円安シナリオから日本株を買い直せる」

SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「米国株が高値圏でもみ合い、欧州株が政治リスクを乗り越える中、日本株は出遅れを取り戻しにいく動きが続きそうだ。 世界のリスクセンチメントの判断は米国株が目安で、米国株が高値圏にあるなら投資家心理は悪くない。足元の好業績を安心して織り込みにいっている米国株の割高感は意識せざるを得ないが、かといって大きく下がるイメージもない。日本株にとっては米10年債利回りの戻りの鈍さがマイナス材料で、一段の円安進行が見込めず上値が抑えられている。金利動向を踏まえると、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行決算は日本株にとって逆風になる恐れもある」

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