【個別銘柄】決算失望の日立造や大平洋金が急落、丸井Gや楽天は上昇

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12日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  日立造船(7004):前日比11%安の586円。11日発表の2017年3月期営業利益は前の期比1.1%減の149億円となり、増益計画(5.9%増の160億円)から一転した。18年3月期計画は前期比16%減の125億円。岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部長は、前期が下振れたため、会社側の今期業績計画は控え目と受け止めることができない、環境・プラントを中心に受注環境は厳しいと指摘。下期偏重型の企業のため、第1四半期から期初の不安を打ち消すような好業績を示すことは難しく、株価はしばらく下向きとみる。

  大平洋金属(5541):11%安の324円。18年3月期営業損益は64億7600万円の赤字の見通しと11日に発表。前期は30億円の赤字だった。フェロニッケル製品の販売価格形成の指標となるLMEニッケル価格が低迷、主原料の鉱石価格は依然高水準で推移すると見込んだ。

  三菱地所(8802):4.8%安の2084円。メリルリンチ日本証券は11日付で投資判断を「買い」から「アンダーパフォーム」に2段階引き下げた。目標株価は2600円から2400円に変更。新中期経営計画が示唆した賃貸収益の想定は、成長余力への懸念を裏付け、海外投資への注力はリスク度合いを高めると判断した。会社側が新中計で掲げた20年3月期の営業利益目標は2200億円、17年3月期実績は1925億円。

  丸井グループ(8252):9.7%高の1651円。発行済み株式総数の5.24%、金額で150億円を上限に12日から自社株買いを実施すると11日に発表。18年3月期営業利益計画は前期比12%増の350億円、年間配当計画は同4円増の37円とした。SMBC日興証券は、自社株買いは期待通りの実行でポジティブと評価。小売事業については、今期には減収局面から脱する可能性もあり、期待したいとの見方を示した。

  楽天(4755):6.6%高の1237円。11日発表の1-3月期営業利益は前年同期比73%増の404億円となり、市場予想248億円を大きく上回った。SMBC日興証券は、無料通話・メッセージアプリのViber、楽天モバイルの赤字縮小や楽天市場の増益転換などを評価。業績のボトムは抜けつつある印象があり、好感のもてる決算内容とした。

  日産自動車(7201):3%高の1107.5円。18年3月期の年間配当計画は前期比5円増の53円と11日に発表。営業利益計画は同7.7%減の6850億円。日本アジア証券の清水三津雄エクイティ・ストラテジストは、この配当水準が続けば長期的に株価が下支えされる可能性があると述べた。野村証券では会社側の業績計画は北米販売台数や円・ドルレート以外の為替影響の見方が保守的と分析、業績に上振れ余地があるとした。

  東邦亜鉛(5707):14%安の442円。18年3月期経常利益計画は前期比44%減の70億円と11日に発表した。みずほ証券の予想は110億円で、製錬事業の営業・操業要件の悪化が想定外、と指摘した。

  東邦ホールディングス(8129):8%安の2282円。17年3月期営業利益は前の期比50%減の142億円と11日に発表。18年3月期計画は前期比0.4%増の143億円と市場予想160億円に届かなかった。野村証券は、前期は薬価改定で医薬品市場が縮小した上、販売価格交渉も難航、医薬品卸事業の収益環境は厳しい状態が続いていると指摘。投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。

  ウシオ電機(6925):8.6%安の1354円。18年3月期営業利益計画は前期比16%増の100億円と11日に発表。市場予想は110億円だった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、市場期待に対して構造改革効果が小さい可能性や価格競争が厳しくなっている可能性がありネガティブ、とみる。

  コニカミノルタ(4902):8.5%安の928円。18年3月期営業利益計画は前期比8.2%減の460億円と11日に発表。市場予想576億円を下回った。クレディ・スイス証券は、先行投資費用増で今期は減益計画と、ネガティブな印象と指摘。来期以降の利益成長の確度が高まるまでは市場期待も高まりにくいとした。

  千代田化工建設(6366):7.9%安の692円。18年3月期営業利益計画は前期比46%減の85億円と12日正午に発表。市場予想203億円を大幅に下回った。売上高は同29%減の4300億円の見通し。LNGの供給過剰と油価の回復の遅れで事業環境は引き続き厳しいとした。

  カドカワ(9468):8.2%安の1456円。17年3月期営業利益は前の期比7.7%減の84億1900万円だったと11日に発表。映画「君の名は。」関連書籍や「ブラタモリ」などノンフィクションのヒットなどで出版事業は好調だったものの、「ニコニコ超会議」の制作費増加やniconicoリニューアル費用が負担になったWebサービスの減益が響いた。18年3月期計画は前期比31%減の58億円。

  エイチ・ツー・オー リテイリング(8242):6.2%安の1835円。18年3月期営業利益計画は前期比6.8%減の210億円と11日に発表。市場予想243億円を下回った。みずほ証券は、期初計画は堅めの傾向が強く大きな違和感はないが、イズミヤの構造改革コスト増加や百貨店事業の営業減益計画はややネガティブな印象と指摘した。

  住友金属鉱山(5713):4.1%安の1423円。18年3月期経常損益見通しは900億円黒字と11日に発表。シエラゴルダ鉱山で減損損失計上があった17年3月期の15億6500万円からは回復すると見込んだ。SMBC日興証券は、想定していなかった在庫の影響、コスト上昇などで今期の会社計画に勢いがないとし、ネガティブと指摘した。

  荏原(6361):4.9%安の3270円。11日発表の17年3月期営業利益は前の期比21%減の300億円となり、従来計画330億円を9.1%下回った。決算期を3月から12月に変更。4-12月期(9カ月変則決算)営業利益計画を150億円と設定した。SMBC日興証券は、今期計画は固定費の増加を織り込んでやや保守的と指摘した。

  宇部興産(4208):6.1%高の279円。発行済み株式総数の2.6%、50億円を上限に12日から自社株買いを実施すると11日に発表。18年3月期営業利益計画は前期比14%増の400億円。SMBC日興証券は、会社側の計画は同証予想の445億円を下回ったが、カプロラクタムのマージン前提や固定費の織り込みが保守的で、上振れ余地を見いだせると指摘。自社株取得の発表はポジティブサプライズと評価した。

  ツムラ(4540):4.7%高の4000円。11日発表の18年3月期営業利益計画は前期比10%増の176億円と、市場予想167億円を上回った。クレディ・スイス証券は、生薬コスト上昇により原価率悪化が今期まで悪影響を及ぼすと考えられていたが、原価上昇のスパイラルからの脱出が早まったとすればポジティブ、と指摘した。

  THK(6481):3.3%高の3075円。11日発表の17年12月期営業利益計画は280億円。変更前の決算期(17年4月-18年3月)でみた場合は345億円となる。市場予想は285億円。ジェフリーズ証券は、営業利益計画はアナリスト予想レンジの上限を上回ったと指摘。ファクトリーオートメーション(FA)や自動車、スマホ関連セクターを中心に1-3月の中国でのLMガイド受注は前年同期比2倍超で、今期の好調な出足を表していると評価した。

  東京電力ホールディングス(9501):2.2%高の474円。11日に新再建計画を発表。今後10年間で原子力発電所の再稼働や事業再編による経営改革を進め、27年度以降に4500億円規模の利益水準を目指す方針を示した。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、原発再稼働に関して外部のパートナーを確保する可能性が出てきたことや、海外事業を通じた収益拡大や送配電等での協力など具体策が盛り込まれたことが好感されたと指摘した。  

  SMC(6273):3.6%高の3万2870円。12日午後2時発表の17年3月期営業利益は前の期比5.1%増の1411億円と、従来計画1300億円や市場予想1315億円を上回った。期末配当を100円から200円に引き上げることも決定した。18年3月期営業利益計画は前期比2.8%増の1450億円で、市場予想と一致した。

  シンフォニアテクノロジ-(6507):9.1%高の370円。18年3月期営業利益計画は前期比46%増の76億円と12日の午後発表した。前期末の受注残高は前の期比26%増の458億円。営業利益の市場予想は67億円だった。

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