日産自:今期減益予想、原材料高など-自動運転の新型リーフ投入

更新日時

日産自動車は今期(2018年3月期)業績が減益となる見通しを発表した。ドル・円以外の通貨の変動や原材料価格の高騰などが響く。

  11日発表の決算資料によると、今期業績予想で、純利益は前期比19%減の5350億円、営業利益が同7.7%減の6850億円、売上高は同0.7%増の11兆8000億円の見通し。ブルームバーグが集計したアナリスト18人の純利益予想の平均は6182億円だった。

  今期の減益要因としては、英ポンドやカナダ・ドルなどの通貨変動のほか、原材料価格の高騰、保有株を売却したカルソニックカンセイなどが連結対象から外れたことなどがある。為替前提は対ドルで108円、対ユーロで118円とした。今期の世界販売は前期比3.6%増の583万台を計画し、うち北米は微増にとどまるが、日本や中国、欧州などの拡大が寄与する。

  4月に就任した西川廣人社長兼最高経営責任者(CEO)は決算会見で、米国市場について「陰りが出てきているのは間違いない」として慎重な販売計画にしていると述べた。現地経済の基礎的諸条件(ファンダメンタルズ)は底堅く、市場は引き続き健全とみており、「できるだけ収益性を損なわないように伸ばしていきたい」と話した。

  電気自動車(EV)の「リーフ」では今期、新型車を投入する。西川CEOは、新型車に自動運転技術「プロパイロット」を搭載することや、世界展開もしていくと話した。EVなど電動車両ではどれだけ魅力的な商品を持てるかが競争力の鍵になるとした上で、「アグレッシブに、積極的にリスクテイクするほうで拡大していきたい」と述べた。プロパイロットは昨夏発売のミニバンの新型「セレナ」に搭載しており、設定した時速30-100キロメートルの範囲内で先行車両と車間を一定に保つことができるほか、車線中央を走行するようハンドル操作を支援する。

  前期決算では純利益が前の期比27%増の6635億円となった。前期の世界販売は前の期比4%増の約564万2000台だった。

次期中期計画

  日産自は6年にわたり取り組んできた中期経営計画「パワー88」が前期で終わり、目標だった営業利益率8%、世界販売シェア8%とも未達成となった。一方、6年後に向けた次期中期計画としては、売上高を12兆8000億円から16兆5000億円に、営業利益率8%、自動車事業のフリーキャッシュフロー累計で2兆5000億円を目指すと発表した。営業利益率の目標については、「適正」な経済状況下において、としている。

  西川CEOは次期中期計画について、中国のシェアを5%から8%へ引き上げていけば世界市場のシェア目標も達成可能とし、中国のシェアを引き上げる計画を策定して実行に移す考えを示した。中期計画の全体像は今期中にまとまり次第、説明したいと話した。

  フランスの大統領選挙に関しては、西川CEOが欧州連合(EU)の安定などの面で「非常にいい結果」と語った。当選したマクロン氏は、ルノー日産連合の「価値を理解いただいてると思っている」と述べた。

  日産自は昨年10月、燃費不正問題を起こした三菱自動車に出資し約34%の筆頭株主となり、傘下に収めた。これにより、ルノー日産連合の世界販売は昨年約996万台と、トヨタ自動車、独フォルクスワーゲン、米ゼネラル・モーターズの上位3グループに迫る規模となっていた。

  国内の大手自動車メーカーで、ホンダは4月28日に今期業績予想を発表し、円高想定や販売管理費増、定年延長に伴う年金会計処理などが響いて大幅減益の見通しを示した。トヨタ自動車は5月10日に決算発表し、円高想定や諸経費増などで2期連続となる大幅減益を予想した。

(見出しを差し替え、第5段落に新型リーフの情報を追加しました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE