3月の経常収支は2兆9077億円の黒字-過去3番目の水準

更新日時
  • 貿易収支は2カ月連続の黒字、第1次所得収支は堅調
  • 世界経済は拡大傾向も地政学リスク残る、韓国では左派大統領就任

モノやサービスを含む海外との総合的な取引を示す経常収支は、3月速報で33カ月連続の黒字となった。市場予想を上回り、単月として過去3番目の水準となる。財務省が11日発表した。

キーポイント

  • 経常収支は前年同月比2.2%減の2兆9077億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は2兆5930億円の黒字)-前月比での黒字幅の拡大は2カ月連続
  • 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8655億円の黒字(予想は8550億円の黒字)-黒字は2カ月連続
  • 輸出は13.1%増の7兆1659億円、輸入は15.4%増の6兆3004億円
  • 配当金や債券利子などの第1次所得収支は1.7%増の2兆1951億円

背景

  世界経済は堅調に推移するとみられている中、ミサイルの発射を続ける北朝鮮など地政学的なリスクを懸念する声がある。北朝鮮をめぐって日米と連携する韓国では、親北路線の文在寅(ムン・ジェイン)氏が新たに大統領に就任した。

  米国の保護主義の高まりもリスク要因の一つ。11日からイタリアで開幕する主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では世界の経済成長やテロ資金対策に加え、欧州における極右政党の台頭の一因にもなった格差について議論する。トランプ米大統領が主張する貿易の不均衡は主要議題にならない見通し。

エコノミストの見方

  • 東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは発表後の取材で、中国経済の加速に伴い、貿易収支の黒字が継続的な「拡大局面に入ってきている」と分析。好調な外需に対し、内需は弱い状況が続いており、経常収支は「必然的に黒字が積み上がる」と述べた。
  • SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは11日付リポートで、「日本経済はモノ(貿易収支)というよりもカネ(第1次所得収支)で稼ぐ構造に徐々に変化している」と分析。従来、証券投資収益が中心だった第1次所得収支も「近年は生産拠点の海外移転とともに直接投資収益の存在感が増している」と指摘した。

詳細

  • 輸出はアジアや中国向けが増加、自動車の部分品や科学光学機器が好調
  • 16年度の経常収支は前年度比13.1%増の20兆1990億円となり、リーマンショック前の07年度以来の水準に
  • 16年度の旅行収支は過去最大
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