三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など邦銀3メガグループの2018年3月期(今期)連結純利益は、前期比でやや減益となりそうだ。アナリストらは日本銀行が導入したマイナス金利政策による利ざや縮小の影響は落ち着くが、国際的な地政学リスクなどの不確実性から各グループとも会社目標は保守的に設定すると予想。注目点としては経費削減への取り組みなどを挙げている。

  ブルームバーグのデータによると、アナリスト17人の17年3月期純利益予想平均は3グループ合計でその前の期とほぼ同水準の2兆2654億円。今期予想は1.4%減の2兆2340億円となっている。個別の今期予想平均は、MUFGが9791億円、三井住友フィナンシャルグループが6900億円、みずほフィナンシャルグループが5649億円。3グループは15日夕に今期業績予想と前期決算を発表する予定。

  JPモルガン証券の西原里江アナリストは4月28日付リポートで、前期の会社ガイダンスはマイナス金利導入直後で保守的に設定されたが、今期はそこから横ばいないし微減もあり得るとみる。その理由として国際政治や地政学リスクなど市場環境の不確実性を挙げる。預貸利ざや縮小については、短期的影響がほぼ出尽くすとみている。

  金融庁がまとめた金融レポートは、低金利が続く中で規模拡大による収益確保はより難しくなっていると報告。邦銀3メガは利ざや縮小の中で融資利息などの資金利益や手数料の減少が続いており、収益源の多様化が課題となっている。今期業績がアナリスト予想通りなら、4期連続で減益となる。

構造改革策や経費削減に注目

  全国銀行協会の小山田隆会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は4月の会見で、マイナス金利の影響で「資金収益が厳しい状況にあり、逆風を受けている」と指摘。金利低下で企業向け融資は増加しているが、「設備投資が力強く拡大してきているかというと、まだその効果が本格的に出ていない」と述べた。

  西原アナリストは今期の注目点として、MUFGでは決算と同時発表される構造改革策に、三井住友Fでは同様に中期経営計画に盛り込まれる経費削減や資本効率化への取り組みを挙げる。みずほFGでは前期にあった一過性利益の剥落や米債ポジション調整の影響から最終利益6000億円が維持されるかに注目し、もし割り込めば減配リスクが意識されるとみている。

  17年3月期純利益のアナリストらによる個別予想平均は、MUFGが9384億円(16年3月期は9514億円)、三井住友Fが7062億円(同6467億円)、みずほFGが6208億円(同6709億円)となっている。三井住友Fはその前の期に計上した消費者金融や海外事業の一時的損失の反動で増益となる公算だ。

  クレディ・スイス証券の三浦毅司アナリストは、MUFGが前期決算で2年ぶりに純利益1兆円を超えたと予想する。その理由として業績が好調な米国子会社やモルガン・スタンレーの関連利益が3カ月遅れの3月末に反映されることを挙げ、海外事業がグループ利益を押し上げたとみている。東芝関連では、各社とも債務者区分の見直しに伴い引当金を積み増す見込みだという。

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