日本株続伸、決算好感ソフバンクやテルモ上げ-2万円足踏み

訂正済み
  • 為替の円安推移支え、TOPIXと日経平均は年初来高値
  • 騰落レシオが2カ月ぶり高水準など過熱感が上値抑える

11日の東京株式相場は続伸し、主要株価指数は年初来高値を更新。決算内容が好感されたソフトバンクグループやテルモの上昇が指数を押し上げ、為替の円安推移も終始下支え役を果たした。業種別では情報・通信や銀行、ゴム製品、輸送用機器、非鉄金属株などが堅調。

  ただし、テクニカル指標からみた短期過熱感などが重しとなり、日経平均株価は一時1万9989円と心理的節目の2万円が目前に迫ったが、結局大台を抜け切れなかった。

  TOPIXの終値は前日比1.67ポイント(0.1%)高の1586.86。日経平均株価は61円46銭(0.3%)高の1万9961円55銭。

  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「為替の円安進行が日本株の追い風。想定為替レートを1ドル=110円ほどで設定している企業が多い中、業績上振れ期待が出やすい」と指摘。投資家の視点は経済が堅調な米国の金融政策に移っており、「6月利上げは市場に織り込まれているが、9月利上げを今後織り込む中ではドル高・円安方向に進みやすく、日本株にプラス」とみている。

  きょうのドル・円は1ドル=114円10ー30銭台で推移、前日の日本株終了時113円80銭に比べ終始ドル高・円安水準で取引された。ボストン連銀のローゼングレン総裁は10日、「バランスシートの規模の緩やかな縮小とともに、年内残りの期間に3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」と発言。10日の米国債市場で、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.41%を付けた。  

  大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は、日本株は水準観から利益確定売りが出やすい「需給面を除けば、特に悪材料はない」とし、米国では「バランスシートの縮小も年内に始まる可能性が高い。金融政策が積極的に出口戦略を進めるのではないかという見方が円安に影響している」と話した。

  この日の日本株は続伸、高値更新となったが、午前にはTOPIXが一時マイナス圏に沈むなど上値の重さも意識された。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオは10日時点で127%と3月14日以来の高水準、TOPIXの相対力指数(RSI)は71%と目先買われ過ぎの70%を超えていた。

  岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「短期的な高値警戒感がある。心理的節目の日経平均2万円を前に投資家の強弱観は対立しやすい」と指摘。また、12日にはオプション5月限の特別清算値(SQ)算出で、「思惑が先物中心に出やすく、日経平均は2万円付近で一度頭打ちするとの見方が強い」とも話していた。

  東証1部33業種は非鉄金属や銀行、情報・通信、ゴム製品、空運、化学、食料品、輸送用機器など15業種が上昇。パルプ・紙や金属製品、鉄鋼、不動産、卸売、海運、機械など18業種は下落。売買代金上位では、前期純利益が前の期比3倍の1兆4263億円と過去最高となったソフバンクG、今期営業利益は2桁増益を見込む武田薬品工業、前期経常利益が従来計画を上回った三井金属は高い。JTやテルモ、カシオ計算機も買われた。

  半面、今期純利益計画が市場予想を下回った新生銀行やTDK、小野薬品工業は安く、前期営業減益のシスメックス、1-6月期の営業利益計画を下方修正したクボタは売られた。今期の営業利益計画が前期比20%減の1兆6000億円と市場予想を下回ったトヨタ自動車は、1.7%安まで下落場面があったが、0.7%高と反発して終了。野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「為替想定は保守的。株価が大きく下げず、ボトムラインという見方が固まれば、相場全体の安心感につながる」とみている。

  • 東証1部の売買高は22億9202万株、売買代金は2兆7932億円
  • 上昇銘柄数は979、下落は877

  

(最終段落のトヨタ自動車株の値動き記述を訂正.)
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