トランプ米大統領は10日、ロシアのラブロフ外相とホワイトハウスで会談した。大統領はこの前日、トランプ陣営とロシアの関係に関する捜査を指揮していた連邦捜査局(FBI)のコミー長官を解任した。

  ラブロフ外相との会談は、プーチン大統領との初の米ロ首脳会談に向けた準備と位置付けられている。ホワイトハウスは、トランプ大統領がラブロフ外相と会うところを取材するのを認めなかったが、トランプ氏がラブロフ氏とセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使を迎える写真をロシア政府が公開した後、記者団は突然、大統領執務室に通された。そこにはトランプ氏がキッシンジャー元米国務長官と共に座っており、ロシアの外相らは既に去っていた。

  トランプ大統領は「ラブロフ氏と極めて良い会談ができた。とても良かったと思う」と語った。ホワイトハウスはその後の声明で、大統領が「米国とロシアのより良い関係の構築を望んでいると強調した」と説明した。

  トランプ大統領もホワイトハウス声明もキスリャク大使については触れなかった。同大使はトランプ陣営とロシア当局者の接触を巡る疑惑で渦中の人物。トランプ氏は2月、政権発足前のキスリャク大使との協議についてペンス副大統領に虚偽の説明をしていたとして、フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)を解任。この電話協議は米情報機関が傍受していた。米当局者2人が明らかにしたところによれば、昨年の大統領選の期間中およびその後のトランプ氏顧問とロシア政府の接触に関する捜査では、フリン氏が対象の1人となっている。

  ラブロフ外相は10日、ティラーソン米国務長官との会談の前に、コミー長官の解任が会談に影を落としていないかとの記者の質問に対し、「彼は解任されたのか。冗談だろう」と皮肉交じりに答えた。その後の会見でコミー長官の解任について聞かれると、ラブロフ氏は米国の内政問題であり、自分がコメントすることではないと答えた。

  ホワイトハウスによると、ラブロフ外相との会談でトランプ大統領は、シリア問題をめぐりロシアが支援しているアサド大統領をロシアは抑える必要があると指摘。さらにウクライナ問題で紛争終結に向けてロシアは合意を順守しなければならないと述べた。

  またラブロフ外相は、同国が前向きに提案しているシリア内に安全地帯を設ける構想について、特にイスラエルとヨルダンと国境を接するシリア南部での安全地帯設置に米国が「積極的貢献」してくることを期待すると表明した。

  同外相はこのほか、プーチン、トランプ両大統領が7月に会談するだろうと述べた。両大統領はまだ直接会談していない。両大統領はドイツで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に出席する。

原題:Russia’s Lavrov Visits White House After Trump Fires Comey (2)(抜粋)

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