ソフトバンク:10兆円ファンド通じ投資強化へ-前期は過去最高益

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  • 今後100億円以上の新規投資は「ビジョンファンド経由に」-孫社長
  • 米通信事業拡大に向けスプリントの合併相手摸索も本格化へ

ソフトバンクグループは2017年3月期(前期)決算で過去最高となる1兆4263億円の連結純利益を稼ぎ出した。その大きな原動力は投資だ。今後はサウジアラビア政府などと組んで間近に設立する10兆円規模の「ビジョンファンド」を通じ、テクノロジー関連投資や同分野での収益拡大を目指す。

  決算会見で孫正義社長は、「今後、ソフトバンクの100億円以上の新規投資は原則ビジョンファンド経由になる 」と述べた。設立の時期に関しては「粛々と進めている。内容はほとんど詰まってきており、もう時間の問題だ」との認識を示した。前期決算では7600億円に上る投資回収益が寄与した。

孫正義社長(10日の記者会見、都内)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  ソフトバンクは近くビジョンファンドへの出資募集を完了し、調達した資金の規模を明らかにする見通しだ。事情に詳しい関係者によると、出資金は最大950億ドル(約10兆8537億円)に上る。孫社長はファンドが設立されれば、「今後大きな投資のために借金を増やすということにはならない」と指摘した。

  米投資銀行キャンター・フィッツジェラルドの根間尚志アジアリサーチ・ヘッド(香港在勤)は、ビジョンファンドとソフトバンクとの関係について、今後出資先を連結化したり、グループの事業再編に活用することで「イメージ先行ではあるが、世界的にかなり大きなITグループになる可能性がある」と期待感を示した。

今期、営業利益も拡大へ

  ソフトバンクが10日発表した決算によると、前期の営業利益は同13%増の1兆260億円、売上高は0.2%増の8兆9010億円だった。1兆4263億円の純利益はアナリスト18人の予想平均9746億円を大幅に上回った。18年3月期(今期)の業績予想は開示していない。

  1兆円の大台に乗せた前期の純利益について、孫社長は「1兆円を初めて上回った。記念すべき数字だ」と言及。その上で「通過点だ。これから利益も1兆、2兆と数えるようにしていく」と意欲を見せた。国内通信や米通信子会社スプリントがけん引し、今期の営業利益は拡大すると見通した。

  前期は主力の国内通信事業が好調を維持したほか、スプリントの業績が下期から改善。前期中に買収した米半導体設計会社ARM(アーム)の収益も貢献した。投資関連では出資先の中国ネット通販アリババ・グループ・ホールディングやフィンランドのゲーム会社スーパーセル株式の売却益が7600億円にも上った。

  孫社長は米国の携帯業界再編について「積極的に対応する。Tモバイルが本命だが、それ以外の可能性もオープンマインドで検討する」などと述べ、スプリントの統合先模索などを本格化したい意向を示した。また東芝が進めるメモリー事業売却に関連し、「いろいろと相談を受けているのは事実だが、あくまでわれわれは主役ではなく、鴻海やアップルが中心になって検討する案件だ」と指摘した。

  関係者によれば、ビジョンファンドには、サウジアラビアの政府系ファンド(SWF)が最大450億ドルを出資する意向を表明しているほか、アップルやクアルコムなどの大手テクノロジー企業も出資を検討している。アブダビ首長国のSWF、ムバダラ開発公社は最大150億ドルの出資を計画しているという。

  11日のソフトバンク株は続伸して始まり、午前9時36現在、前日比1.9%高の8866円で推移している。
  

(最終段落に株価動向を追加しました.)
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