ドル・円は114円台前半、米金利高が支え-北朝鮮関連報道は重し

更新日時
  • ドルは一時113円63銭まで下落、午後の取引終盤には114円09銭
  • 米利上げと日米金利差次第でドルは115円台乗せも-JPモルガン

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=114円台前半。前日の海外市場でドルが大きく買われる背景となった米国の金利や利上げ観測が相場を支えた。半面、核実験など挑発的な行為の可能性をちらつかせる北朝鮮に関する懸念は重しとなった。

  10日午後4時26分現在のドル・円は前日比0.1%高の114円06銭前後で推移している。午前の取引は114円06銭を付けた後、113円63銭まで下落。午後は113円台後半でもみ合った後、終盤にかけて114円13銭を付けた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部戦略トレーディング課の池島俊太郎課長は、「ドル・円はニューヨーク終盤に北朝鮮の話で下げたあおりで、113円63銭まで下げた。ただ、中身をみるとそんなに深刻な話でもない感じで、うまくロング(買い建て)の利食いの材料に使われたかなという印象」と述べた。

  英スカイニュースによると、北朝鮮のチェ・イル駐英大使は、同国が6回目の核実験を実施すると発言。「実験が実施される場所と時間は、われわれの最高指導者である金正恩氏が決める」と述べた。

  JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉替調査部長は、「昨日はリスクオンの動きの円安に加え、米金利上昇によるドル高の組み合わせで114円台半ばまで上昇。ドルは全面高となった。その後、北朝鮮が6回目の核実験を行う見通しとの報道を受けて円が買い戻された」と説明した。

  一方、9日投開票日の韓国大統領選では、最大野党「共に民主党」の文在寅氏が勝利した。国際問題となっている北朝鮮について、文新大統領は条件が満たされれば訪問する意向を示している。

文在寅韓国新大統領

Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

  シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは10日付リポートで、「北朝鮮には宥和政策で臨むと見られる。文候補の勝利はリスク選好を回復させている今の市場にとっては追い風」と分析した。

  日本銀行の黒田東彦総裁はこの日、衆院財務金融委員会で半期報告を行い、現在の枠組みの下で強力な金融緩和推進が適切との見解を示した。
  
  9日の米国市場では、ドル・円が一時114円33銭と3月15日以来のドル高・円安水準を付けた。米連邦準備制度理事会(FRB)高官発言を受けて、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ観測がくすぶる中、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)上昇の2.40%程度で終了した。

  JPモルガンの棚瀬氏は、「投資家のリスクテイク意欲は強く、ドル高・円安の基調は強い」と指摘。ドルがどこまで上がるかはFRBの利上げと日米金利差次第とした上で、「米利上げ期待や日米金利差拡大ならドル上昇圧力になる。115円台に乗せる可能性はある」と述べた。

  カンザスシティー連銀のジョージ総裁は同日、FOMCは年内にバランスシートの再投資縮小を開始すべきだとの認識を表明した。

  ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジスト(ロンドン在勤)は、「FRBが先週、かなり明確に6月の利上げを示すようなスタンスになってきており、フランス大統領選リスクもなくなったということで多少ドルが買いやすくなっている部分はある」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%高の1ユーロ=1.0895ドル前後。前日には一時1.0864ドルと4月28日以来のユー ロ安・ドル高水準を付けた。ユーロ・円相場は、0.3%高の1ユーロ=124円27銭前後。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁はこの日、オランダ議会で証言する。

  ノムラの後藤氏は、「次の6月の政策会合はECBがFOMCと日銀よりも早い中、ECBはここでフォワードガイダンスを多少変えてくるという期待感が引き続き強い」と指摘。「ドル・円、ユーロ・円ともに、今後1-2週間くらいでいくと上のリスクの方が大きいという気がする」と話した。

  一方、JPモルガンの棚瀬氏は、「欧米の金利差からみるとユーロは過大評価されているため、上値が重たい展開」と分析。ドラギ総裁発言に注目しており、「前回のECB理事会でハト派的だったので、6月会合でフォワードガイダンスの変更期待はあるものの、一気にテーパリング気運が高まるとは思わない」と語った。

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