トヨタ社長:何かを止める決断必要、売り上げ伸びず-連続減益の予想

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トヨタ自動車は今期(2018年3月期)業績が2期連続で大幅減益となる見通しを示した。豊田章男社長は「スポーツの世界では連敗になる」と述べ、売り上げが伸びないと何かを止める決断が必要になるとの認識を示した。

  豊田社長は10日の決算発表で、売り上げがなかなか増えず、パラダイムチェンジもある中で「利益を生まない分野にも投資をしなければならない。ここが難しいところ」と指摘。その上で、売り上げが伸びないと「何かを止める、そして何かを変える決断が必要になってくる」と話した。

  SBI証券の遠藤功治アナリストは、トヨタが新車の種類を減らしたり、車種構成を変えてくる可能性があると指摘した。さらに、すぐに利益につながらない分野で人工知能(AI)や自動運転の開発は自前から外注にするとか、提携を進めることもあるかもしれないとみている。

  アトランティス・インベストメント・リサーチのエドウィン・マーナー社長は、トヨタについて「伝統的な車につぎ込む資金を削減して、ハイブリッド車や電気自動車、プラグインハイブリッド車にもっと注力したいのではないか」という。また、米国やインドなど海外では生産増強の必要があっても、日本では自動化などで生産コスト削減が課題になるとみている。

トヨタの決算発表

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  今期について、豊田社長は「自分たちの等身大の姿を真正面から見据え、徹底的に競争力を磨いていく年」と話した。今期決算見通しに関して、永田理副社長は「大変厳しい数字」と述べ、「収益向上のための施策で挽回に努めたい」と語った。

  10日発表の決算資料によると、今期業績予想で、純利益は前期比18%減の1兆5000億円、営業利益が同20%減の1兆6000億円、売上高は同0.4%減の27兆5000億円の見通し。ブルームバーグが集計したアナリスト20人の純利益、営業利益予想の平均はそれぞれ1兆9503億円、2兆3373億円だった。

  今期業績見通しでは、原価改善の努力がプラス要因となるが、円高想定に加え、労務費、減価償却費、研究開発費の増加などのマイナス要因が上回る。今期の為替前提は対ドルで105円、対ユーロで115円とした。今期のダイハツ工業や日野自動車を含むグループ世界販売は、前期とほぼ横ばいの1025万台を計画している。中国の合弁などを除いた連結ベースの地域別販売では、日本や北米、欧州で減少する一方、アジアやその他の地域で増加するとみている。

  主力の米国市場に関して、永田副社長は販売奨励金(インセンティブ)が上昇傾向にあり、競争が激化していると指摘。その上で、「過度なインセンティブ競争に陥らないよう適切にコントロールしていきたい」と話した。

  米国のトランプ大統領が自国第一主義を掲げ、米国で販売する自動車メーカーなどに対しては現地で生産するよう求めている。メキシコ工場建設を進めるトヨタは、永田副社長が「建設は進行中」と述べ、進出を決めた以上は責任を持って進める考えを示し、「生産開始に向けて努力していく」と語った。豊田社長も、ひとたび進出を決定した以上、地元の利益を考えると話した。

  前期決算は純利益が前の期比21%減の1兆8311億円となった。前期のグループ世界販売は前の期比1.6%増の約1025万1000台だった。1-3月期の純利益は前年同期比6.6%減の3984億円となった。

  国内の大手自動車メーカーでは、ホンダが4月28日に今期業績予想を発表し、円高想定や販売管理費増、定年延長に伴う年金会計処理などが響いて大幅減益の見通し。日産自動車は11日に決算を発表する。

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