日本株反発、円安による業績期待-輸出一角や鉄鋼上げ、好決算反応も

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  • 売買代金上位で三菱自やミネベア急伸、鉄鋼では冶金工買われる
  • 北朝鮮情勢への根強い警戒、割高感ある米国株動向は重し

10日の東京株式相場は反発。前日の海外市場でドル・円相場が2カ月ぶりの円安水準に振れ、企業業績の改善を見込む買いが先行した。電機、機械など輸出株の一角や鉄鋼株が買われ、情報・通信株も堅調。売買代金上位では、決算内容が評価された三菱自動車ミネベアミツミが急伸した。

  TOPIXの終値は前日比3.42ポイント(0.2%)高の1585.19、日経平均株価は57円9銭(0.3%)高の1万9900円9銭。

  T&Dアセットマネジメントの神谷尚志チーフ・エコノミストは、「相対的な割安感の修正が続いている。4月中旬にTOPIXの予想PERは13倍ほどに沈み、足元では14倍まで上昇してきたが、名目GDPは拡大傾向で、企業業績も好調。PER15倍超まで上昇する可能性がある」との見方を示した。

東証ロゴ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうのドル・円は1ドル=113円台後半で推移。9日の海外市場では一時114円33銭と、3月15日以来のドル高・円安水準を付けた。前日の日本株終了時は113円35銭。主要なリスクイベントを通過し、市場参加者の間で米国の6月利上げ観測が広がっている。9日の米国債は、入札と投資適格級の社債発行を材料に続落し、10年債利回りは2.40%と1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。

  国内では主要企業の決算発表が相次いでおり、今期の営業利益計画は前期比14倍と急改善を見込む三菱自、今期の営業利益計画が市場予想を上回ったミネベアが大幅高。業種別上昇率トップとなった鉄鋼では、今期増益・増配計画の日本冶金工業が急騰、東証1部の値上がり率上位に並んだ。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、2017年3月期経常利益の会社計画に対する達成率は107%と、04年度以降の平均103%と比べ相当高いという。みずほ証券投資情報部の三野博且シニアストラテジストは、企業の今期想定為替レートは1ドル=105ー110円が中心で、「113ー114円で推移する中では業績の上振れが期待でき、割安修正の動きに拍車が掛かる」とみている。

  日経平均は午前半ばにかけ95円高まで買われたが、その後は上値の重い展開。地政学リスクや米国株動向への根強い警戒が背景にある。北朝鮮のチェ・イル駐英大使が6回目の核実験を実施すると述べた、と英スカイが報道。T&DAMの神谷氏は、「フランス大統領選通過後のリスクオンの熱が冷める中、北朝鮮問題の再燃が利益確定売りにつながった」とみていたほか、米国株については「割高で上値が重く、日本株も割安感の修正以上には上がりにくい」と指摘した。9日の米国株は、S&P500種株価指数が0.1%安と軟調、10日の時間外で米国株先物は安く推移した。

  東証1部33業種は鉄鋼、その他製品、情報・通信、電気・ガス、電機、サービス、鉱業、非鉄金属、機械など18業種が上昇。繊維やガラス・土石製品、金属製品、証券・商品先物取引、陸運、輸送用機器、銀行、卸売など15業種は下落。売買代金上位では東芝や三菱重工業、IHI、丸紅、新日鉄住金、トレンドマイクロが高い半面、今期の営業利益計画が予想を下回ったSCREENホールディングスのほか、旭硝子や東レ、三越伊勢丹ホールディングスが安い。

  • 東証1部の売買高は21億6989万株、売買代金は2兆7791億円
  • 上昇銘柄数は1044、下落は805
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