トランプ氏娘婿の家族事業に暗雲、投資ビザでも中国マネー誘致苦戦か

  • ジャージーシティーの高層ビル、市長の政治的後ろ盾失う
  • 利益相反のリスク上昇、主要テナント企業が撤退

米ニュージャージー州の不動産開発に投資すれば米国ビザ(査証)を取得できますーー。ジャレッド・クシュナー氏の妹、ニコール・メイヤー氏は週末、中国で投資家に呼びかけた。メイヤー氏はプレゼンテーションの中で、トランプ米大統領の娘婿である兄ジャレッドのホワイトハウスでの役割に触れ、兄がトランプ大統領と一緒に写った写真を掲示するなど、政権にコネクションがあることを隠しもしなかった。

Jared Kushner and Nicole Meyer

Photographer: Patrick McMullan/Patrick McMullan via Getty Images

  メイヤー氏がプレゼンテーションであえて伏せておいたのは、あてにしていた主要テナントの撤退と、数百万ドル規模の税負担軽減が見込めなくなったこと、それに建設地ジャージーシティーの市長からの政治的後ろ盾を失ったことなどの一連の問題だった。

  クシュナー・カンパニーはマンハッタンからハドソン川を挟んで対岸のジャージーシティーに、4億ドル(約460億円)規模の高層ビル開発を計画。米新興企業のウィーワークを迎えてオフィススペース、住居スペースともに満室・完売を見込み、ハイテク頭脳が集まる新たなハブとして競争に打って出る狙いだった。これに対してニュージャージー州をはじめ地元では9300万ドルの公的補助金という形で支持を表明していた。

  それは2015年のことだ。今では利益相反の懸念が高まり、ウィーワークは撤退、補助金の大半は否定された。クシュナー氏がトランプ政権のシニアアドバイザーを務めていることで、リベラル寄りのジャージーシティーとの間では、これまでかろうじて保っていたバランスが危うくなった。同市ではこれまで、移民の権利に関連した住民の抗議運動が起きている。

  メイヤー氏のプレゼンテーションについて、クシュナー社は「投資を引き出す目的でジャレッド・クシュナーの名前を出したと解釈されたのであれば、謝罪する。それはメイヤー氏の意図するところではなかった」と電子メールで火消しに動いた。

666 5th Ave.

Photographer: Eric Baradat/AFP via Getty Images

  クシュナー社が利用しようとしているのは、雇用創出が確実な事業に50万ドル以上を投資すれば、2年間のビザを取得できるEB-5(投資永住権プログラム)というもの。このビザを取得すれば本人および家族がグリーンカード(永住権)を取得できる確率が高くなる。

原題:Kushner Project Touted by Sister in China Is in Trouble at Home(抜粋)

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