債券は下落、米長期金利上昇や円安が重し-10年入札順調で下値限定的

更新日時
  • 10年入札、日銀の買いが強力ということがサポート-メリル日本証
  • 長期金利は一時0.035%と約1カ月ぶり高水準、入札後は0.03%

債券相場は下落。前日の米国市場で長期金利が上昇した流れを引き継いだことに加え、ドル高・円安の進行を背景に超長期ゾーンを中心に売り圧力が掛かった。半面、この日実施の10年国債入札で最低落札価格が市場予想を上回ったことを受けて、長期ゾーンは下げ幅を縮めた。

  9日の長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比3銭安の150円79銭で開始し、一時は150円76銭まで水準を切り下げた。午後に入札結果が発表されると2銭高まで上昇する場面も見られたが、上値は重く、結局は4銭安の150円78銭で引けた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、10年債入札について、「利回りはそんなに調整していなかったが、日銀の買いが強力だということでだいぶサポート要因にはなっている。しっかりした結果だった」と指摘。一方、「海外市場で一気に売り材料が出る可能性が警戒される上、円安の状況下で金利低下が進めば日銀が買い入れを減らすリスクもあり、上値を追っていく展開にはなりにくい」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から1ベーシスポイント(bp)高い0.035%と、4月12日以来の高水準で開始。入札結果発表後は0.03%で推移した。

  超長期債が安い。新発20年物160回債利回りは1.5bp高い0.59%、新発30年物54回債利回りは2bp高い0.825%、新発40年物9回債利回りは2bp上昇の1.035%と、いずれも約1カ月ぶりの水準まで売られた。

スティープ化

  メリルリンチ日本証の大崎氏は、「11日に30年債入札を控えて25年超がカーブ上でだいぶスティープした感があり、そういった傾向が続く可能性が高い」とみる。

  8日の米国債相場は下落。今後数週間にインテルなど投資適格級社債の発行が増えるとの見通しが上値を抑える材料となり、10年債利回りは前営業日比4bp高い2.39%程度となった。

  この日の東京外国為替市場でドル・円相場は1ドル=113円台後半と、3月以来の水準まで円安が進んでいる。

10年債入札 

財務省

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  財務省が実施した10年利付国債入札の結果は、最低落札価格が100円67銭と市場予想の100円65銭を上回った。小さければ好調さを示すテール(最低と平均落札価格の差)は1銭と昨年11月以来の水準に縮小した。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.76倍と前回の3.96倍から低下した。

過去の10年債入札の結果はこちらをご覧ください。

  メリルリンチ日本証の大崎氏は、「今週の日銀オペでは残存期間5年超10年以下の買い入れが2回予定されていることを考えると買っても悪くないという判断もあったのではないか。日銀が買ってくれるという安心感が今のところある」と話した。

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