ユーロ反落、マクロン氏勝利受けた買い続かず-ドルは112円後半

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  • 早朝には対ドルで半年ぶり高値、対円で約1年ぶり高値を記録
  • 仏大統領選を通過し目線は6月のECB会合へ-ドイツ証

8日の東京外国為替市場ではユーロが反落。フランス大統領選でのマクロン氏圧勝を好感して早朝に買いが先行した後は、材料出尽くしから売りに押される展開となった。

  午後3時38分現在のユーロ・ドルは前週末比0.1%安の1ユーロ=1.0984ドル。早朝に1.1023ドルと半年ぶり高値を付けた後、一時1.0957ドルまで下落。その後はもみ合いとなり、欧州勢が参入し始める午後3時前には先週末の終値(1.0998ドル)付近まで値を戻した。ユーロ・円も1ユーロ=124円59銭と約1年ぶり高値を付けた後、一時123円40銭まで下落し、同時刻現在は123円79銭。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、仏大統領選を通過したことで、市場の目線は6月8日の欧州中央銀行(ECB)会合に移ると指摘。「ECBが利上げに向けた地ならしをするかどうか」が注目されるとした上で、ユーロはいったん上がりやすい半面、市場が6月の米利上げを織り込む中で、ユーロ・ドルの上昇幅は限られる可能性があると語った。

  ドル・円相場は1ドル=112円台後半で底堅く推移。早朝に3月17日以来の水準となる113円13銭まで上昇した後、対ユーロでの円買いもあり112円60銭まで値を下げたが、米国の6月利上げ観測が下値を支えた。同時刻現在は変わらずの112円71銭。

テールリスク払拭

  7日投開票の仏大統領選では開票率99.99%時点でマクロン前経済・産業・デジタル相の得票率が66.1%、極右政党・国民戦線(FN)のルペン氏は33.9%となった。マクロン氏圧勝により欧州連合(EU)の結束は強まる見通しで、この1年間、米欧を席巻したポピュリズムの勢いは阻止された。仏誌レクスプレスは、マクロン氏率いる政党は6月の仏国民議会(下院)選で優位に立つ見通しと、2つの世論調査結果を引用して報じた。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、仏大統領選にまつわるテールリスクが完全に払しょくされたことは、中長期的なユーロの相場形成にとって大きいと指摘。「消費者物価指数(CPI)の上振れや域内総生産(GDP)の悪くない結果がある中、これで6月ECB理事会に向けてイベントドリブンしやすくなる」と話した。  

  ECBのメルシュ理事は8日、インフレ圧力形成の初期段階を示す控えめな兆候があるとした上で、正常化のいかなる議論も慎重かつ秩序を伴う必要があると述べた。

  マクロン氏勝利を好感して連休明けの東京株式相場は上昇。日経平均株価、TOPIXともに2.3%上げ、昨年来高値を更新した。  

6月米利上げ

  米オーバーナイト・インデックス・スワップ(翌日物無担保コールレートと固定金利を交換する金利、OIS)取引に基づくと、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが実施される確率は89%となっている。5日発表の4月の米雇用統計では雇用者数の伸びが市場予想を上回り、失業率が予想外に低下した。FOMCは政策金利の据え置きを決めた3日の定例会合後の声明で、米経済の第1四半期の減速は「一過性」との認識を示した。

  ソシエテ・ジェネラル銀の鈴木氏は、6月の米利上げはおおむね織り込まれており「ドル・円の支えにはなるが、ドライブする要因にはなりづらい」と指摘。今週末発表の4月のCPIが3月の前月比低下から持ち直せば、ドル・円は底堅くなる可能性がある半面、朝方付けた113円台の高値を超えるのは難しいと語った。

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