フランスとEU、変革迫られる-ポピュリズム阻止のラストチャンス

  • マクロン氏「変わらなければ、5年後は極右が勝利する」
  • 失業率の改善や競争力の高い新たなビジネスモデルの構築迫られる
Bloomberg News

7日投開票のフランス大統領選の決選投票で、独立系のマクロン前経済・産業・デジタル相が勝利したことで、フランスと欧州連合(EU)は米欧で台頭するポピュリズムを後退させる絶好の機会を得た。そして、これは最後の機会かもしれない。

  元投資バンカーのマクロン氏は「新しい政治」を約束するアウトサイダーというイメージを打ちだすことに成功。得票率はマクロン氏が約65%、極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏が約35%と、事前予測よりも差が開いた。しかし、FNは2002年の大統領選決選投票からは得票率を大きく伸ばしており、マクロン氏が直面している問題の深刻さを浮き彫りにしている。

  ドイツをはじめ欧州各国首脳はこぞってマクロン氏に祝意を表したが、ルペン氏はFNが主要野党という新たな役割を担うと主張。同氏は敗北を認めるとともに、「政治生活を構成し直す」と言明した。多くの国民が極右候補への投票をタブー視しなくなった現状では、ルペン氏の主張を否定するのは難しい。

  パリ北東の都市、アミアンの医療サービス会社でIT専門家として働いているパスカル・トパール氏(46)は、「これは、われわれにとってルペン氏の当選を阻止する最後の可能性だ。今回を逃せば、5年後にルペン氏は大統領になるだろう」と、決選投票開始前に参加していたマクロン氏の政治運動の集会で語った。
  
  マクロン氏が分極化の度合いを強めるフランスが必要としている変革を実現できなければ、将来の極右ないし極左候補は一段と強い支持を得るだろう。フランスは高い失業率の改善や、世界的に一段の競争力を持つ新たなビジネスモデル構築に向け、少なくとも前進していると示す必要に迫られている。

  マクロン氏はフランスおよび欧州にとって何が重要かを理解しており、その認識を広めようとしているようだ。同氏は先週のフランス紙パリジャンとのインタビューで、「欧州の多くの住民は、FNの勝利はEUの終わりを意味するとの見通しに動揺していた。しかし、欧州はこのような事態を回避するために変わらなければならないと私は言いたい。なぜなら、もし変わらなければ、5年後にはFNが勝利するだろうからだ」と語っている。

原題:France and Europe Enter Last Chance Saloon After Macron Victory(抜粋)

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