日本株3連騰で昨年来高値、米雇用と仏大統領選安心-代金ことし最高

更新日時
  • 東証1部33業種は全て上げる、上昇銘柄数は1800超
  • 米非農業部門雇用者数が予想上回る伸び、仏大統領にマクロン氏

8日の東京株式相場は3連騰し、TOPIXと日経平均株価は昨年来高値を更新した。予想を上回る米国雇用統計の好調、フランス大統領選の結果に波乱がなく、投資家心理が一段と改善した。為替の円安も好感され、電機など輸出株、保険など金融株、化学や鉱業株を中心に東証1部33業種は全て高い。

  TOPIXの終値は前営業日比35.56ポイント(2.3%)高の1585.86、日経平均株価は450円(2.3%)高の1万9895円70銭。両指数とも2015年12月以来の高値水準となり、TOPIXの上昇率は1月4日(2.4%)以来、4カ月ぶりの大きさ。

  アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長は、「欧州最大の政治リスクだったフランス大統領選は波乱のない結果となり、上値を抑えられていた反動が出ている」と指摘。国内外の景気状況は悪くなく、「リスク資産に資金が行きやすい。国内企業の業績見通しは堅調で、今後は日本株に海外投資家の資金が入る可能性があり、底上げしやすい環境」との見方を示した。

東証内

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  米労働省が5日に発表した4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比21万1000人増とエコノミスト予想の中央値(19万人増)を上回った。賃金の伸び悩みが示されたものの、市場の6月利上げ見通しを変更するには至らなかった。

  また、米連邦公開市場委員会(FOMC)は2ー3日の会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75ー1%のレンジで維持。米経済が第1四半期に減速したのは一過性で、経済見通しへの短期的なリスクはおおよそ均衡しているとした。市場が織り込む米国の6月利上げ確率は5日に100%へ上昇した。

  フランス大統領選は7日に決選投票が行われ、独立系のマクロン前経済・産業・デジタル相が極右政党・国民戦線のルペン氏に圧勝。欧州連合(EU)の結束は強まる見通しで、ポピュリズムの台頭はいったん後退を余儀なくされる格好となった。アムンディの浜崎氏は、「投資家はEU崩壊の可能性もみていたが、オランダ、フランスでの選挙を経てナショナリズム的な動きは一服し、安心感が出ている」と言う。

  きょうの為替相場はおおむね1ドル=112円60ー80銭台で推移。早朝には113円13銭と、3月17日以来のドル高・円安水準に振れた。2日の日本株終値時点は111円99銭。東京市場が大型連休中(現地時2-5日)の米国株は、S&P500種株価指数が0.5%上昇し、5日終値は0.4%高の2399.29と最高値を更新していた。

  丸三証券の服部誠執行役員は、「米雇用の強さをあらためて確認した。地政学リスクが後退する中、ファンダメンタルズに目を向ければ、日米とも経済は悪くない」と指摘。日本企業の為替前提は1ドル=105ー110円ほどで、「日本企業の業績の上振れ期待も出やすい。バリュエーション面でも安く、今後日経平均は2万円を試す」と話している。

  東証1部33業種は全て上げ、空運、化学、鉱業、保険、不動産、石油・石炭製品、サービス、証券・商品先物取引、建設、電機が上昇率上位。売買代金上位では、4月の既存店売上高が伸びたファーストリテイリングや良品計画が高く、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソニー、ファナック、キーエンス、野村ホールディングスも上げた。半面、前期の営業減益と今期計画の市場予想未達が嫌気されたオリンパスが大幅安。コマツ、野村証券が投資判断を下げた大塚ホールディングスも安い。

  東証1部の売買高は24億808万株、売買代金は3兆4434億円。代金はことし初めて3兆円を超え、株価指数先物の特別清算値(SQ)算出日を除くと、昨年11月9日以来の多さだった。ソシエテジェネラル証券の杉原龍馬株式営業部長は、「日本株はリスクオフの過程の中でグローバルのヘッジツールとして売られてきた。リスクオフ要因となるイベントを通過し、6月利上げで円安期待がある中、先高観から買い戻しが入った」とみていた。上昇銘柄数は1875、下落は108。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE