長期金利は3週間ぶり高水準、仏大統領選結果や10年入札に向けた売り

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  • 仏大統領選を無事に通過し、投資家のリスク回避姿勢が後退-岡三証
  • 先物は11銭安の150円82銭で終了、長期金利0.03%に上昇

債券相場は下落。長期金利や超長期債利回りは約3週間ぶりの高水準を付けた。米雇用統計や仏大統領選挙の結果を受けてリスク選好の動きが強まり、国内株式相場が大幅高となったことや、10年債入札などを控えて売りが優勢となった。

  8日の長期国債先物市場で、中心限月6月物は前営業日終値比6銭安の150円87銭で開始した。その後も150円80銭台で推移し、結局は11銭安の150円82銭と、この日の安値で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「政治面で今年前半の最大のイベントだったフランスの大統領選を無事に通過し、安全資産一辺倒だった投資家のリスク回避姿勢が後退した。6月の米利上げも意識されるし、今週は10年債と30年債の入札がある」と指摘。ただ、「世界的にエネルギーを除いた物価は強いとは言えず、地政学的リスクも残る中で、利回り低下は止まったが、どんどん上がるわけではない」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前営業日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.025%で開始。株高加速を受けて0.03%と4月14日以来の高水準を付けた。

  超長期債も安い。新発20年物160回債利回りは1.5bp高い0.575%、新発30年物54回債利回りは1.5bp高い0.805%までそれぞれ上昇した。

米雇用統計

  前週末の米国債相場は下落後に持ち直し。米10年債利回りは横ばい圏の2.35%程度で引けた。4月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比21万1000人増加と予想を上回ったことから、一時は2.38%程度と約1カ月ぶりの高水準を付けたが、米利上げは緩やかなペースにとどまるとの見方などから買い戻された。週明け8日の時間外取引では2.36%まで上昇した。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッドは、「政治イベントが一段落し、米雇用統計も堅調。米景気減速はあくまでも一時的で6月か9月の利上げと年内のバランスシート圧縮開始という米連邦準備制度理事会(FRB)の姿勢に変化がないことを確認していくことになる」と述べた。

政治イベントが一段落

マクロン氏

Photographer: Christophe Morin/Bloomberg

  7日投開票のフランス大統領選の決選投票で、独立系のマクロン前経済・産業・デジタル相が極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏に圧勝した。欧州連合(EU)の結束は強まる見通し。

  選挙結果を受けて、8日の外国為替市場ではユーロが上昇し、ドル・円は一時113円台に乗せる場面があった。ユーロはその後売りに押され、大統領選勝利後の上昇分を消した。

  この日の東京株式相場は大幅続伸し、TOPIXと日経平均株価は昨年来高値を更新した。市場予想を上回る米国雇用統計や、仏大統領選の結果に波乱がなく、投資家心理が一段と改善した。円安も好感され、輸出株を中心に値上がりした。 

日銀買いオペ 

  日銀はこの日の金融調節で、今月2回目の長期国債買い入れオペを実施。残存期間「1年超」の買い入れ額が700億円、「10年超25年以下」が2000億円、「25年超」が1000億円と、いずれも前回のオペと同額だった。オペ結果では25年超の応札倍率が3.78倍と10カ月ぶりの高水準と、全体的に弱めだった。

日銀国債買い入れオペ結果はこちらをご覧下さい。

  財務省は9日、10年利付国債入札を実施する。発行予定額は2兆3000億円程度。346回債のリオープン発行で、表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「10年債は地政学的リスクの後退からマイナス水準を試すムードではなくなってきた。一方で米長期金利の低迷が続いており、売り込む機運も高まらない。日本10年がゼロ%台後半で推移していたのは3月後半だが、この時の米10年債は2.40%前後だ」と指摘した。

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