メトロポリタン美術館でコムデギャルソン特別展、知っておきたいこと

米メトロポリタン美術館で4日、コムデギャルソン(CDG)の特別展が始まる。デザイナーの川久保玲氏には非常に名誉なことだ。同美術館のコスチューム・インスティチュートの年次企画展は常に人気が高く、アレキサンダー・マックィーン展には60万人超が訪れた。

  今年の「川久保玲/コムデギャルソン 間の技」と題した特別展は、アナ・ウィンター「ヴォーグ」編集長が親しい600人をディナーに招く場でもあるのだが、一般人はどのような知識を備えているべきだろうか。

  まずは基本から。川久保氏は1942年生まれ。69年に創設したファッションブランドのCDGは80年代に、ファッションに敏感な女性に力強い印象を残す服装の選択肢を与えることで大ブレークした。ゴシック的な黒服で83年にヴォーグの誌面を飾れば、97年の春コレクションでは「こぶ」を付けたような野心的な作品も発表。布地が腫瘍のように膨れ上がった空想科学小説ばりのドレスは人々の度肝を抜いた。

  「方向性」とか「実験的」「破壊的」「シビア」「シュール」はいずれも、川久保氏の作品を表現するのにふさわしい形容詞だ。同氏のデザインには縫製をわざと未完のままにしたり、非対称性や黒ずくめといった特徴がしばしば見られる。同氏自身は人間の体について考え、それに合わせて型どり、縫い合わせた「ボディーのためのオブジェクト」と表現する。 

コムデギャルソン・シャツのクラシックシャツ(左)とジュンヤワタナベマンの葉デザインシャツ(右)

Source: Vendors

  メンズウエアについては、CDGは実用主義からかけ離れて存在している。例えば、コムデギャルソン・オムのしわ加工のピンストライプスーツだ。ポリエステル製のこのスーツは通常の形態に対する挑発を意図しているのかもしれないが、あなたが着用すれば、無能なクリーニング屋を訴えている人だと他人から思われるかもしれない。

コムデギャルソン・ジュンヤワタナベマンのデニム人工皮革のジャケット(左)とコムデギャルソン・オム・プリュスのストライプ・ブレザー(右)

Source: Vendors

  つまり、道化師のように見えないでCDGの特徴的なデザインを男性が着こなすには、精神性と金銭面の双方において、ある種の自立を必要とする。

  マスコミへの露出があまりないことで有名な川久保氏のCDGは、夫が最高財務責任者を務め、今ではコムデギャルソン・オム、オム・プリュス、マン、シャツといったサブブランドも抱える。CDGの世界に入りやすい入門ブランドはプレイだろう。Tシャツ、ポロシャツ、カーディガンなどカジュアルの基本ラインをそろえ、125ドルのコンバースもある。

川久保玲氏

Photographer: Bernard Weil/Toronto Star via Getty Images

原題:How To Fake Your Way Through the Season’s Most Hyped Exhibition(抜粋)

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